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短いけど書いてみた。 「ゆっくり相撲」 最近里の子供達の間ではやっている遊びがある。 「ゆっくっゆぎゅれいむゆっくりおちていってね!」 「ゆぶっゅべっゆっぶっまりさこそゆっくりおちていってね!」 里の寺子屋、裏返したタライの上で二匹のゆっくりが互いを押し合っている。 といっても別に発情しているわけではない。 虫の代わりにゆっくりを使った「ゆっくり相撲」をしているのだ。 周りを里の子供達が取り囲み「つぶせっ」だの「おしだせ!」だのと囃し立てている。 ゆっくり相撲とは、種類の違うゆっくりを捕まえて来て取っ組み合いをさせる遊びだ。 「ゆっくりできる場所を教えてあげる」「美味しい食べ物をあげる」等といえば殆どのゆっくりは疑いもせずついて来る。 その後タライに乗せ「押し合いをして、勝った方には特別なご馳走をあげる」と言えば、割と簡単に押し合いを始める。 時々、言う事を聞かずご馳走だけを強請って五月蝿いゆっくり達もいるが、全員で蹴り飛ばしながら脅せば大概言う事を聞くのである。 今日捕まえてきた二匹はどうやら親友同士らしく 連れてくる途中「ゆっくりたのしみだねー」「どんなところでゆっくりできるんだろうねー」と声を掛け合っていた。 だが、子供達はゆっくりさせる気もなければご馳走をあげる気もない。 負けた方のゆっくりを勝ったゆっくりに特別なご馳走として無理やり食べさせるのである。 この間は姉妹同士のゆっくりを争わせた。 勝ってご馳走が食べれるとはしゃぐ姉、ずるいずるいと騒ぐ妹。 ご馳走をあげると言い、互いを向き合わせ、目の前で妹を踏み潰してやった。 目の前で潰され、息絶えた妹ゆっくりを見て半狂乱になる姉ゆっくりを見て大笑いをしながら、潰れた妹を無理やり食わせる。 「い”も”う”と”を”か”え”し”て”ぇ”ぇ”ぇ”」「ゆ”っ”く”り”で”き”な”い”ぃ”ぃ”」だのと喚き散していたくせに、口の中に捻じ込むととたんに「うっめ、メッチャうめ!」「しあわせー」と喜ぶゆっくりを指差して腹を抱えて笑った。 あの後、日が暮れるまで残った姉を皆で蹴り回して、適当な木の枝に刺して帰った。 次の日に鞠代わりに蹴り飛ばして遊ぼうと木を見たら木の根元に少量の餡子とリボンが落ちていた。ゆっくりれみりゃにでも食べられたのだろうと皆で残念がった。 「ゆゅっゆっおちちゃうよっゆっくりおちちゃうよっ」 「ゆっくりおちてね!ゆっくりおちてね!」 もうすぐ勝負がつく。ご馳走にありつくゆっくりも決まりそうだ。
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操作系下衆技 自分が下衆技をかけるというより、相手を誘導し、巧みに罠にかけることで相手を堕落させる。 一見、相手を落として自分は下衆ではないような立ち回りを見せるが、所詮下衆は下衆である。 使用者:りっぷ 操作系下衆技を極め続けた者であり、巧みな話術で相手を翻弄し、下衆ラーにまで落としてしまうという伝説まで広まっている。 得意技:Provokin Shadow 使用者:Vol これまで如何なる戦場に於いても、立ち回りで自らを穢すことを避けてきた下衆パリラー。 一見、下衆ラーではなく見えるが、裏で様々な糸を操り、相手を落とす。 インペリアル・アサシン 得意技:死角の刺客~闇の暗殺者~ 使用者:覇王 本来操作系であるはずの彼だが、他の下衆技を習得し、3系統の下衆技を持つ。 どの技も極めるまでには至らないが、多方向からの下衆技系統を武器に相手を落とす。 得意技:無限廻廊
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1316.html
少し大きめの人形が背負っていた籠をひっくり返すと、中から小ぶりなゆっくりまりさがぼとぼとと落ちてきた。 生まれたばかりの個体であるため、まだ全体の半分ほどがゆっくりゆっくり夢の中。 そんなゆっくり達を覚醒させたのは、ぱんぱんという軽快な音。 優しそうな女の人の声が、最後まで眠りこけていたゆっくりを引き上げる。 「ゆー?」 「ゆゆ!」 「ゆっくり!」 「ゆっくり!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 目覚めたばかりだというのに、元気のいい大合唱。 女の人はにこにこしながら、赤ちゃんゆっくり達の数を数えていた。 「さあみんな、おはよう。生まれたばかりでお腹も空いているでしょう」 「ゆ!おなかすいたよおねえさん!」 百匹を越えるゆっくりたちの訴えに、女の人は笑顔で応えた。 「ほら、あそこを見て」 「ゆ!ごはん!ごはん!ゆっくりたべたい!」 女の人が指差した先には、おいしそうな食べ物がおいてあった。 さっそく走り出そうとしたゆっくりたちは、透明な壁に阻まれてそれ以上進む事ができない。 「焦らないの。そうね、ちょっとその前にゲームをしましょう?」 「げーむ?」 「そう。五匹ずつ、かけっこ。一番についた子はごはんをいっぱい食べさせてあげる」 「ゆゆ!たのしそう!やりたいやりたい!」 「そう?じゃあまずは、あなたと、あなたと、あなたたちね」 「ゆ!ゆっくりはしるよ!」 「ゆっくりいちばんとるよ!」 選ばれなかったゆっくり達からは不平不満が出たが、女の人は気にするそぶりもなく五匹を壁の向こう側へつれていった。 「じゃあ、よーい、ドン!」 ぴょんぴょんぴょん、いの一番にゴールしたゆっくりが嬉しそうに真っ赤なリンゴにかぶりつく。 負けじと駆けつけた二番のゆっくりも、いい匂いのする桃をぺろり。 少し遅れて三番のゆっくり。よく焼けたクッキーをばりばりと食べた。 四番目のゆっくりは、ちょっと硬いにんじんをほおばった。 「ゆ!ごはんがないよ!おねえさんゆっくりもってきてね!」 もたもたしていた五番目のゆっくりがゴールするころには、もともとそんなに多くなかった食べ物は四匹の腹に収められてしまっていた。 五番目のゆっくりが不満げに振り返ると、 「ゆ゛う゛う゛う゛ぅぅぅ!!」 目の前まで迫っていた人形の槍で、大きく開けた口をずぶり。 「な゛に゛ずる゛の゛お゛お゛おぉぉお!!!」 「ゆ゛っ゛ぐり゛や゛べでぇぇぇ!」 泣き喚くゆっくり達に、女の人は思い出したように、 「そうそう、一番足の遅い子には罰ゲームね」 楽しそうに言い放った。 「大丈夫よ。ドベにさえならなければいいんだから。簡単じゃない」 しばらく時間が経って、20体分の餡子を踏みつけながら女の人が言った。 「ふう、みんな終わったかな?おつかれさま。家の中にあなたたちのお部屋を用意してあるから、 そこでしばらくゆっくりするといいわ」 死に物狂いで走り抜けたゆっくりたちは、荒い息を隠そうともせずにずるずると人形に案内されていった。 涙と鼻水でべしゃべしゃになった顔を洗うことも許されず、80匹のゆっくりが四メートル四方の部屋に押し込まれる。 窓のないその部屋で、ゆっくり達は三日を過ごすことになる。 食事は一日一度、人形が溶けかけた野菜の切れ端や干からびて黒ずんだ肉を持ってくるだけ。 水も一日に二回、バケツに汲んだ水をぶっかけられるだけ。 ゆっくり達は何故自分たちがこんな仕打ちを受けなければならないのかわからなかった。 生まれて四日目、女の人がドアを開けた時には、力尽きたもの、喧嘩で押しつぶされたものがいくつかいた。 60匹に減ったゆっくりたちは、のそのそと人形に追い立てられるまま部屋の外へ。 「みんなおつかれさま。さあ、今日も楽しいゲームをしましょうね」 その言葉を聞いて「や゛だあ゛あ゛あ゛ぁぁ!」泣き叫ぶものと、ほぼ無反応なもの。 そして、ごく少数、澱んだ目を細めるものもいた。 「今日は、障害物競走で遊びましょう。ほら、ゴールにはおいしいごはんがあるから、がんばりましょう!」 女の人が指差した先には、とてもとてもおいしそうな果物や、野菜がおいてあった。 しかし、そこに至るまでのコースにはどうひいき目に見ても致命的なトラップが三つ、ゆっくりたちを待ち構えていた。 一匹のゆっくりは最初の平均台で足を滑らせ、煮え立つ油の中に落ちた。 また、狭い足場を踏み外して竹やりに串刺しにされたゆっくりもいた。 十分に体を平べったく出来ず、回転するノコギリに額を削られた。 それらを突破して、最後の直線にまでたどり着いて、ほっとした笑顔のまま落とし穴に落ちた。 何とか落とし穴を回避してゴールしても、グループの中で最下位だったため罰ゲーム。 中には小ずるいやつもいて、先をゆく仲間を踏み台にしてトラップを突破するものもいた。 人形を傍らに控えさせた女の人は、ゆっくりたちの悲鳴を聞きながら紅茶を楽しんでいた。 最後のグループは三匹のゆっくりがゴールした。 顔を歪ませながら落とし穴を抜けた四番目のゆっくりまりさは、仲間がうまそうに餌をむさぼっているのを見ながら人形の槍に貫かれた。 「ゆ゛ぎゅ゛う゛う゛ぅううう!!!」 先にゴールした20匹のゆっくりは、もはや興味がないとばかりに餌にがっついていた。 ゆっくりが刺さったままの槍を高々と掲げた人形は、冷たい表情のまま槍を振ってまだ痙攣しているゆっくりを捨てた。 ぱち、ぱち。女の人がにこにこ笑いながら、嬉しそうに拍手をしている。 20匹のうち16匹はなんの反応も示さなかったが、4匹のゆっくりは歪んだ笑顔で、楽しそうに 「ゆっくりしていってね!!!」 ぴょんと一度跳ねた。 それからまた一週間、ゆっくりたちはもといた部屋に閉じ込められた。 80匹ではかなり苦しかった室内も、20匹なら何とか生活スペースは確保できる。 それでも、力のないものや比較的体の小さいものは隅に追いやられていった。 弱いゆっくり達は一日に一度の腐りかけた食事さえ満足に口にできず、日に日に弱っていく。 ある日、空腹で死に掛けていたぼろぼろのゆっくりまりさに、別のゆっくりまりさが噛み付いた。 「ゆ゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅぅ!!」 「ハァハァ……うめえ!めっちゃうんめえ!」 これまでの縄張り争いからくる攻撃ではなかった。血走った目で、同種をがつがつと貪り始めた。 狂気はあっという間に伝染し、部屋中を悲鳴と咀嚼音が満たした。 女の人がドアを開けたとき、生き残っていたのは5匹だった。 そのうち1匹は体中かじられて虫の息だったので、人形の槍で針鼠にされた。悲鳴はあがらなかった。 「さあ、最後のゲームをしましょう」 十分な餌を食わせた後、女の人が口を開いた。 四匹のゆっくりは、へらへらと笑っているものが二匹、濁った目で虚空を見つめるものが二匹。 「ゆっくりしていってねぇ」 媚びるような口調で、へらへら笑っているゆっくりまりさがいった。他の三匹も視線だけは女の人へ向ける。 「最後は簡単、鬼ごっこよ。今からあなたたちを森の中へ放します。逃げ切れたら、あなたたちの勝ち。 捕まったら罰ゲーム。今のあなたたちなら簡単よね?」 ゆっくりと食休みの時間をとり、四匹のゆっくりたちは柵が開かれるのを待った。 「じゃあ、よーい……」 へらへら笑う一匹が、無表情なまりさの前に体を寄せた。 「どん!」 人形が柵を開くと、四匹のゆっくりが弾かれたように走り出した。ついさっきまで無表情だったゆっくりも、生存本能は誰にも負けていない。 死に物狂いで走る無表情まりさ。しかし、5メートルほど走ったところで、前を走るへらへらまりさが急に反転した。 「ゆっくりしんでいってね!!!」 不意の衝撃。視界が揺れ、森の切れ目から青い空がみえた。 一度バウンドし、慌てて起き上がると、へらへらまりさが森の奥へ消えてゆくのが見えた。 ほぼ同時に、 「ゆ゛ぐっ!!!」 焼けた鉄を打ち込まれるような痛みが立て続けに走り、その意識はかき消えた。 四匹のゆっくりまりさが走り出して一時間が経った。 女の人、アリスは森の中を捜索する人形を呼び戻す。 「二匹、か」 人形の槍にぶら下がる二つの塊を見下ろして呟いた。 アリスは一度満足げに頷くと、人形を連れて家に帰っていった。 アリスが森の中へ逃げた二匹のゆっくりを見ることは、それきりなかった。 それから一ヶ月ほど経った。 朝起きたアリスは烏天狗の新聞の一面を見て、嬉しそうに目を細めた。 『ゆっくり、里の倉庫を集団で襲撃!』 『群れを統括する、ずる賢く逃げ足の速いゆっくりの存在!』 『ゆっくり愛護会、脱退者続出で存続の危機!』 「がんばっているようね、あの子たち」 ぽつりと呟いて、新聞を丸めた。 今日は「鬼ごっこ」の日だ。さて、今回は何匹の悪意にまみれたゆっくりが逃げ切るだろうか。 アリスは吊りあがる唇を一度なでて、ゆっくりの餌を作るため台所へと向かった。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1435.html
幻想郷の空をリリーが舞い、桜が咲き乱れ、鳥達が絶え間なくさえずっている。 そんなうららかな春の昼下がり。 20人あまりの少年達がただ広いだけの野原にやってきた。真っ先に彼らの目に止まったのは一組のゆっくりのカップルだった。 ゆっくり魔理沙とゆっくりアリスというかなり珍しい組み合わせのカップル。まだ年若いのかどちらもやや小ぶりだ。 大抵の魔理沙はゆっくりアリスが発情期になると見境なく自分を陵辱することを本能で理解しているので、アリスを避けようとするのだが、 アリスの性欲が他のアリスより希薄なのか、あるいは魔理沙の危機意識が他の魔理沙より低いのか、このカップルは今のところ順風満帆といった感じである。 「「ゆっくりしていってね!」」 少年達の気配に気付いたカップルは声をそろえてお約束のせりふを口にする。 警戒する様子は一切ない。普段から少年達と野原で遊んでいる二人にとって彼らは友達、いや時に捕食者であるゆっくりゃを追い払ってくれる頼もしい恩人達なのだから当然だろう。 だからこそ、このカップルはこんな隠れる場所もない野原でゆっくりしていられる。それほど少年達のことを信頼しているのだ。 「みんな、きょうもゆっくりしていってね!」 そう言いながら満面の笑みを浮かべ、顔だけしかない自身の体全体と弾力性のある皮を巧みに弾ませて少年達の下へ駆け寄ってきたのはゆっくり魔理沙。 最初から「いっしょにゆっくり」などと口にするのは自己中心的で傲慢で、人間や他のゆっくりを自分の居場所から追い払おうとすることの多い魔理沙種にしては珍しい。 一方のアリスも魔理沙のように一目散に飛び跳ねてくることはないが、あまりにも無防備な満面の笑みを浮かべながらゆっくりの名に相応しいゆったりとした動作でやってきた。 「きょうもゆっくりさせてあげてもいいわよ!」 一見すると上から目線ではあるが、これは妙にプライドの高いアリス種の特徴であって、本当に子供達を自分より下に見ているわけではない。 なんにせよ、この2匹が少年達を信頼していることを疑う余地はなさそうだ。 勿論、その信頼は少年達にだって伝わっている。 ある農家の末っ子の少年はアリスの偉そうな物言いに 「うわっ、こいつやっぱり生意気~」 と毒づきながらも、その表情はゆっくりたちにも負けない満面の笑み。 またある八百屋の少年は 「お前らに言われなくてもゆっくりするよ」 と魔理沙の頭(いや胴体か?)をなで、 狩猟で生計を立てる一家の次男坊は 「って言うか、いい加減森に帰れよ。俺達のいないときに襲われたら危ないよ?」 と、邪険にしながらも実は心配しているというツンデレぶりを発揮していた。 とにかく、ゆっくりのカップルは少年達が大好きで、少年達はゆっくりが大好きだった。 「ゆ?おにいさん、それなぁに?」 しばらく少年達と戯れていた魔理沙が彼らの持ってきたプラスチック製のボールの存在に気付いた。 すると、リーダー格の少年がそのボールを手に取り、誇らしげに掲げる。 「これはね、阿求さんからもらったサッカーみたいなちょっと激しい遊びでも僕達とゆっくりが一緒に楽しめるようになる道具だよ」 阿求というのは人里の要人で、可愛らしい少女である。 このリーダー格の少年は密かに彼女に好意を持っていたりするが、そんなことはどうでもいい。 「ゆ!本当に?魔理沙たちもいっしょにサッカーできるの?!」 その言葉に魔理沙もアリスも瞳を輝かせる。 当然ながらが激しいぶつかり合いを繰り広げる人間同士のサッカーにゆっくりが参加することなど不可能。 今まで少年達がサッカーを始めると疎外感を感じていた魔理沙達にとってこの知らせは非常に喜ばしいものだったのだろう。 「「ゆっくりサッカーしようね!」」 ボールの前で瞳を輝かせながら必死にサッカーを催促する2匹。 その視線に苦笑しながらも、リーダー格の少年はボールをふたに割ると、2つの半球の上にアリスと魔理沙を乗せる。 「よっ、と!」 2匹が半球の上に乗ったのを確認すると素早く、半球を閉じて球体に戻す。 それから、近所のゆっくり愛好家からもらったボールを保護するための空気穴のあいたゴムを手際よく被せる。 ちなみにこのゴムは真っ黒で内部の様子が一切分からないようになっている。 したがって、少年達には殆ど身動きが取れない状況に陥っている2匹の状態をうかがい知ることは出来ない。 それにこのボールは防音を重視した設計になっているので、口を押さえつけられまともに喋れないゆっくりの声なんて殆ど聞こえない。 しかし、少年達は日ごろ優しい阿求やゆっくりについて語りだすと止まらなくなる変だけどゆっくりが大好きな親切なお兄さんの「ゆっくりは振動を与えると喜ぶからボールの中に入れて蹴ってあげると良い」という言葉を信じて試合を開始した。 少年達はゆっくりが大好きなのと同様に阿求やお兄さんも大好きだから、彼らの言葉を疑うことなど微塵もなかった。 ところ変わってここは稗田邸のある一室。 「阿求様。こちらが先日注文していただいた妊娠ゆっくり用のゆっくりボールの試作品です」 そう言って、少女に大人のゆっくりとほぼ同じサイズのプラスチックボールを差し出したこれといった特徴のない男は幻想郷で1,2を争うゆっくり好き自称する変わり者。 「いつもありがとうございます。こちらがお代金と・・・わずかばかりではありますが、今後のゆっくりグッズ開発のための資金です」 プラスチックボールと引き換えに包みに入ったお金を差し出した彼女こそ人里の名家の当主、稗田阿求である。 「いえ、こちらこそ。いつも阿求様には助けていただいてばかりで・・・」 恐縮しながらも、もらえるものは遠慮なく懐にしまった男は思い出したように「説明書」と書かれた紙切れをボールのそばに置き、そそくさと稗田邸を後にした。 一人部屋に残された阿求は説明書を手に取り、そこに書かれた短い文章に目を通した。 『このボールには妊娠初期のゆっくりを入れてください。妊娠期の動きの鈍い母親を保護するほか、圧力で赤ちゃんが成長しにくくなり小ぶりになるため、母親は無痛で出産できます。』 人並みに常識のある人ならばこの説明書がいかに異常かすぐに理解できるだろう。しかし、阿求にとってはそれが良いのだ。 明らかに常軌を逸した思考のものが作ったそのグッズは、予想の斜め上を行く拷問道具として機能する。 彼が最初に作ったゆっくりボールは透明な箱にも劣らぬ閉塞感でゆっくり霊夢の心を、長きに渡る拘束があらゆる身体の機能を破壊しつくし、ボールから解き放っても身動き一つ取れない正真正銘の顔饅頭へと仕立て上げてしまった。 その次のペア用のゆっくりボールにはゆっくり魔理沙とゆっくりアリスを放り込んだ。そして自室に置いて気が向いたときに蹴り飛ばし、回して暇を潰した。 ボールに守られたゆっくりが殆ど怪我をしないのは腹立たしかったが、阿求はそのボールが気に入った。 蹴るたびに、回すたびに与えられる振動がアリスを欲情させ、同じボールに閉じ込められている魔理沙は内と外、双方からの脅威によって恐怖のどん底に陥れるのが非常に面白かった。 もっともそのボールは魔理沙とアリスが死んでしまった後に村の少年にあげたので、今は手元にないのだけれど。 思い出すだけで、稲妻で貫かれるような快感が全身を駆け巡る。 それから、ボールをあげた少年が可愛がっている野原に生息するゆっくりのカップルも魔理沙とアリスだと聞いたことを思い出して、頬を緩める。 今頃、信頼していた少年達に絶望を刻み付けられたゆっくり魔理沙は、少年達にどんな言葉を投げかけるのだろうか? 気がついたらパートナーを苦しめてしまっていたゆっくりアリスは、少年達にどんな態度をとるのだろうか? きっと魔理沙とアリスのことだから少年達の事情や気持ちなんてお構いなしに彼らを罵るのだろう。 ああ、可哀そうな少年達。ゆっくりのためを思ってやったことなのに、ただ私にだまされただけなのに。 きっと泣いて帰ってくるであろう少年達に涙ながらに訴えよう。「私はそんなつもりじゃなかった」って。 そうすれば、酷い言葉を投げかけたゆっくりなんかより、私のことを信用してくれるはず。 そしたら彼らにゆっくりの邪悪さと醜悪さを教えてあげて、それから皆でそのカップルゆっくりを殺しに行こう。 痛めつけて、痛めつけて、痛めつけて・・・虫の息になったところでこう囁こう。 「何も知らないこの子達をだましてあのボールを使わせたのは私なのよ?」って。 馬鹿だから意味が理解できないだろうか?それとも妙に情緒面だけ発達しているから暴言を吐いてしまったことを後悔するだろうか? それから、「あなた達のせいで彼らはゆっくり嫌いになった。きっと彼らにたくさんのゆっくりが殺されるわ」って囁いて、それから止めを刺そう。 想像するだけで、濡れてくる。 -----あとがき----- ゆっくりを虐待するシーンそのものは殆どなし。 ホスト規制まじぱねぇよ。ケータイまで規制喰らってやがる。 ゆっくりゃの依存の対象になっている咲夜さんがうざいと抜かす不届きものに、 むしろ、その依存はいじめられている最中において絶望の中の微かな希望も同然であり、ゆっくりゃの虐め甲斐は何もせずとも勝手に「咲夜が助けてくれる」という幻想をひとりでに抱いていることにある。 すなわち、勝手に裏切られた絶望を味わうことにあるのだから、我々は西瓜の甘みを引き立てる塩のような存在として咲夜さんを崇めるべきだ、とか 揺さぶられて感じているゆっくりアリスでフルボッキしちゃう、とか 色々語りたいことがあるというのに・・・ふぁーっく。 ボールに需要があるかなんて全く気にせず、思いつきとノリと勢いだけで素人が書いたものなので非常に読みづらいでしょうが、目を通していただけると幸いです。 このSSに感想を付ける
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1.下衆谷口保守編~うとんじられてホーリーナイト~ 2.下衆谷口保守 ~尻○行燈~ 3.下衆谷口保守 ~モモンガハンター~ 4.下衆谷口 ~下衆ミステリー 出題編~ 5.下衆谷口 ~下衆ミステリー 解答編~ 6.下衆谷口のなくころに ~尻隠し編~ 7.下衆谷口のなくころに ~股流し編~ 8.下衆谷口のなくころに ~触りごこち編~ 9.下衆谷口のなくころに ~かつおぶし編~ 10.下衆谷口のなくころに ~猫かぶり編~ 11.下衆谷口のなくころに ~おめかし編~ 12.下衆アドベンチャーTANIGUTI 13.下衆谷口のなくころに ~踏潰し編~ 14.古泉一樹の計画 15.古泉一樹の計画2 16.SOS団の被害妄想 17.空気の読める国木田 18.下衆谷口の聖夜 19.下衆谷口の聖夜2 20.下衆谷口の聖夜3 21.下衆谷口の聖夜~その後~ 22.下衆谷口の約束 23.ゾクゾクする谷口 24.下衆谷口vs朝倉涼子~前哨戦~ 25.下衆谷口vs朝倉涼子~大激突~ 最終話.【さよならは】下衆谷口の未来【言わないぜ】
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/669.html
ある森に、ゆっくりの親子がいました。 その親子は三人(?)家族で、親ゆっくりと子ゆっくりのれいむとまりさでゆっくり暮らしていました。 ある日子ゆっくりは親ゆっくりの言いつけで森の奥へ野いちごを取ってくることになりました。 「きょうはもりのおくのほうでのいちごをとってきてね!!!」 「わかったよおかーさん!!!」 「ゆっくりとってくるよ!!!」 れいむとまりさは仲良く出かけて行きました。 しかしあまり奥に進みすぎたために道に迷ってしまいました。 「みちがわからないよ!!!」 「どうすればいいのおぉぉ!!!」 とうとうれいむとまりさは疲れてその場で眠ってしまいました。 れいむとまりさは夢を見ました。 みんな仲良くできて人間達とも友達になれて幸せに暮らしている夢を。 次の朝、森の中を彷徨っているうちに美味しそうなお菓子の家を見つけました。 二人は昨日から何も食べていないのでお腹がぺこぺこ。 「ゆゆ!!おいしそう!!!」 「ゆっくりたべるよ!!!」 れいむとまりさは何の躊躇いもなくお菓子の家に被りつきます。 しかし、そのお菓子の家はゆっくり虐待妖怪の鬼意山の罠だったのです。 「ちょっと、ここで何してるのかな?」 「ゆ!ここはれいむたちのおうちだよ!!!」 「ゆっくりできないひとはでていってね!!!」 やはり野生のゆっくりは図々しい。 一般人だったらここで叩き潰すところですが、さすがの虐待鬼意山は違いました。 「まぁまぁ、でもそんな小さなおうちじゃあすぐなくなっちゃうし、れみりゃ種も寄ってくるかも…」 「ゆ!?ゆっくりできないよ!!!」 「だから僕の(ry 「ゆ(ry テンプレなので省略します。 おバカなれいむとまりさはゆうゆうと鬼意山の家へとついてきました。 まず鬼意山はまりさを透明な箱(一箱1260円特価)に入れます。 「ゆゆ!?ゆっくりできないよ!!!」 「まぁまぁ、今からご飯あげるからね」 鬼意山は台所から野菜屑を取り出し、まりさに与えました。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~!!!」 「おにいさん!れいむもごはんほしいよ!!」 「まぁまぁ、れいむは僕の仕事を手伝ったらおいしいごはんあげるからね」 「ゆ、ゆっくりてつだうよ!!!」 れいむは割と聞き分けが良いようです。 鬼意山は最近外から来た本で読んだパンをれいむに手伝わせようというのです。 しかしそこは虐待鬼意山、ただの手伝いで終わるわけがありません。 巨大な窯の前にれいむを立たせ(?)、様子を見てもらいます。 そして膨らんだら教えるように言いました。 「ゆぅ!ゆっくりあついよおにいさん!!ゆっくりできないよ!!!」 「我慢してくれ、終わったらおいしいごはんあげるから」 「ゆ、ゆっくりがんばるよ!!!」 健気な子です。 この後殺すのが惜しくなるくらいですが、そんな感情が鬼意山にあるでしょうか?いや、ないね! しばらく経つと、ゆっくりが叫び始めます。 「おにいさん!ふくらんできたよ!!!ゆっくりふくらんできたよ!!!」 「ん…?すまないな、僕にはよく見えないんだ、どのくらい膨らんだのかもっと詳しく教えてくれないか?」 「ゆ!めはだいじにしなきゃだめだよ!!!」 れいむは空気を取り入れる空間からパンの様子を観察します。 鬼意山が後ろから近づいてきてるなんて知る由も無く。 「おにーさん!さっきよりもさんぶn…ゆゆ!?」 れいむは下に落下しているのを感じました。 窯の中は灼熱の空間。人間だって耐えられません。饅頭なんて一瞬で炭饅頭と化すでしょう。 「おにいさああああん!!!ゆっくりいそいでれいむをたすけてねぇ!!!あついよおおお!!!」 「あれ、れいむはどこに行ったのかな?」 「ゆぶぅうううううう!!!!!!」 れいむは炭になりました。 きっとパンを作るために頑張ってくれることでしょう。 鬼意山はパンを焼き上げました。 香ばしく、餡子が少し混じった匂いがあたりに漂っています。 鬼意山は中に入れる具を探しますが、台所には大したものがありません。 味噌でも塗って食うかとも思いましたが、まだまりさがいたことを思い出しました。 早速まりさのいる部屋に戻り、パンをまりさにお披露目しました。 透明な箱に入ったまりさは退屈そうでしたが、パンを見ると表情が変わりました。 「ゆゆ!おにいさん!おいしそうだね!!まりさにもちょーだいね!!」 「でもねまりさ、まだ中に具が入っていないから…」 「ゆゆ?」 疑問に思うまりさをよそに、鬼意山は拳を振り下ろしました。 「るオオオオオ!!」 ドグオオォン きゃあぁあぁあッ!ゆ…ゆっくりをッ! メメタァ 「ゆぎゅうぅぅぅううッ!!!??」 と…透明な箱はなんともないッ! ゆ…ゆっくりを潰すのはそれほどでもないが…… それにもまして不思議なのは透明な箱も一緒に殴ったというのに透明な箱が無事なことッ! 「これが『仙道』だ!」 もうまりさは瀕死の状態です。 まりさは息も絶え絶えになりながら言いました。 「どうじでごんなごどずるのおおおおぉおぉぉおお!!!!?」 鬼意山は言いました。 「簡単な答えだ…ここは虐待スレ」 なおこの後作ったパンに餡子を入れて食べると美味しいということで幻想郷にアンパンが広まったという噂もありますが、それは別の話。 めでたしめでたし byGIOGIO お、俺は…一体何を書いているんだァ―――!!! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/647.html
饅頭に人の顔が貼り付いてるだけの物体、ゆっくり。 この謎生物がここ、幻想郷に突然現れてから久しく経つ。 最初の頃こそ、「ゆっくりしていってね!」→「ちょうきめえ!」のコンボで駆除されるだけだったが、 徐々に研究が進み、人間にとって様々な形で役立つものだという認識が広まってきた。 ゆっくりが今では生活物資の中でも重要な位置づけになりつつある。 ゆっくりの一番よく知られた用途はやはり食用。 何せ饅頭なので、少し汚れを落とすだけでそのまま食べられる。 幻想郷は甘味料を精製できる作物があまりよく育たないため、 これは本当にありがたいものであった。 次に力仕事。 ゆっくりは個体差が激しく、中には牛や馬以上に大きく力強く育つ傾向を持つ種がいるのだ。 これらの系統を幼体の頃から調教することで、家畜同様の存在として利用。 知能も比較的高いため、農作業や運送業の負担は大きく軽減された。 そして愛玩用。 見た目はそれなりに愛嬌があり、人語を解することもあってペットとしてもよく飼育されている。 中には徹底的な教育を施し、ゆっくりに秘書のような役割を担わせている人もいるくらいだ。 しかし、これらの用途に充てられるゆっくりは一握りの良質なゆっくりでおおむね足りる。 残りの、箸にも棒にもかからないようなゆっくりたちにはどのような使い道があるのか。 それを今から見て行こうと思う。 _______________________________ 昼が一年で最も長い時期、 幻想郷の森の中は大勢の人間たちで珍しく賑わっていた。 誰もがかごを担いでおり、手には長い菜ばしが握られている。 見た目にはゴミ拾いか山菜取りに来たようにしか見えない。 しかし、今の彼らの目的はそんなものではなく、ゆっくりだ。 彼らは木の根元を主に探り、それらの居場所を見つけようとしていた。 「あ、いたいた 相変わらずきめぇ外見だなあ」 ゆっくりを生け捕りに来た一人である青年が、大木の根元に空いた穴を覗き込むなり、苦笑しながらつぶやく。 もし何も知らない現代人がこれを見たら卒倒しているだろう。 穴の中には人間の生首のような物体がいくつも鎮座していた。これがゆっくりだ。 ゆっくりたちはまだこちらに危険性に気づいてない様子だ。 ゆっくりしていってね、と無邪気にこちらへ話しかけてくる。 しかし青年はそれに答えることなく、菜ばしで手早くゆっくりたちを背中のかごへ詰めていく。 さすがにゆっくりたちも騒ぎ始めるが、力の差が有りすぎて抵抗らしいことは一切出来ない。 数分もしないうちに、かごの中はゆっくりで満たされた。 傍目からは、巨大な白キノコがかごにたくさん収まっているようにも見える。 うーん大漁大漁、と彼は満足げだ。かごの中からは声が幾重にも聞こえてくる。 ふと周囲を見回すと、青年の仲間達がやはりゆっくりたちを満載したかごを背負っていた。 もう充分かね、と皆に呼びかけると、肯定だけが返事として来る。 この日のゆっくり捕りはこれで完了だ。 人里へ戻った青年たちは、休むよりも先に、とある作業場を訪れた。 里の人々からは一般にかぎ屋、たま屋と呼ばれ親しまれているところだ。 やあおつかれさん、と作業場の入り口で番をしていた壮年の男性が、ねぎらいの言葉を彼らへかける。 準備はできてるから、と続けて言われ、会釈した青年たちは作業場の奥へと進む。 一分ほど歩くと、周囲に比べてひときわ大きな建物が見えてきた。 彼らはそこへ重い扉を開いて入る。内部は上にも横にも意外なほど広く、遮蔽物も特に見当たらない。 せいぜい作業用の小道具が散らばっている程度だ。ただ大広間があるだけ。大勢が作業するための構造。 あらよっと、と青年たちはかごの中身を床にぶちまける。そこでようやく一息つく者も多い。 広間に放り出されたゆっくりたちは人間達に悪口を浴びせる。 しかし彼らはその言葉に反応せず、ただゆっくりたちの様子を眺めているだけ。 今は特にこれ以上何もされないようだとわかると、この建物を自分達のゆっくりプレイスだと宣言し、 ゆっくりたちは広間を好きに跳ね回り始める。割りと楽しそうだ。 これがゆっくりたちにとって最後の自由時間。 10分ほどそんな光景が続いていたのだが、眺めていた青年がふと口を開く。 「こいつらの中で他に回せそうなのいないな。全部こっちで使うわ」 彼らはゆっくりたちを選別していたのだ。 ゆっくりたちに好きにさせ、どんな行動をとるかを見れば、 他の役に立つかどうかはだいたい判断がついてしまう。 青年たちの捕ってきたゆっくりたちは自らの心配をまるでせず、ただ目の前の状況を自分勝手に楽しむだけ。 どんな運命が待っているか考えようともしない。 家族間のつながりも弱いらしく、他のゆっくりを心配するとかそういったそぶりもなかった。 野生育ちだけあって皮は丈夫なようだが、それだけだ。おおよそ最低品質のゆっくり。 こうしてこのゆっくりたちの運命は決まった。 彼らが一斉に動く。 飛び跳ねていたゆっくりたちは再び捕まえられ、かごの中に詰めなおされる。 また悪口が飛んでくるが、蝉の鳴き声程度にしか青年たちは感じていない。 そして作業が始まった。 手に持ったゆっくりに対して、男たちが小刀を当てる。 ゆっくりたちもおびえ、ゆっくりやめてね、などと命乞いの言葉を投げかけるが、やはり反応はない。 よし、と彼らは軽く気合を入れると、ジャガイモ剥きの要領でゆっくりたちの頭髪を剃っていく。 皮には傷をつけないよう、慎重かつ素早く行う。一匹剃り終われば、次のゆっくりをつかみ出す。 髪を剃られているゆっくりたちの悲鳴は一際大きくなるが、それは人間には無視され、 かごの中のゆっくりたちをさらに怯えさせるだけで終わる。 30分も経たずに、ゆっくりたちは全て頭髪を失い、ただの人面饅頭と成り果てる。 床に整然と並べられたそれらはいよいよもって不気味だ。 逃げ出さないような処置がなされているわけではないが、 ショックが大きいらしくどれも白目を剥いた放心状態。そんなことはおきないだろう。 ここからが難しい局面となる。 青年たちはまず手のひらサイズのゆっくりから取り掛かることにした。 ゆっくりを床に押し当て、静かに転がす。 その場で何度も回しているうちに、人面饅頭の形状が真球に近くなっていく。 何度も顔面を床へ押し付けられ、ゆっくりたちはまたくぐもった悲鳴をあげる。 彼らはお互いに手元のゆっくりの形状を確認しあい、できるだけ真球の精度を高めていった。 だいたい満足のいく程度に形状が整ったところで、催眠ガスを人面ボールに吹きつけ、仮死状態にする。 そうしてゆっくりたちはまた別の木箱に詰めなおされていく。 こうして一定の処理をなされたゆっくりたちとは別に、建物の一角ではもう一つ、別の工程が進んでいた。 こちらもゆっくりたちを用いることには変わらないが、扱いがだいぶ手荒い。 ゆっくりの中身である餡子を手で取り除き、集めているのだ。 餡子を全て失えばゆっくりたちは絶命する。やめてえ、などと悲鳴が常に絶えない。 からっぽの皮は、床へ無造作に捨てられ、頃合を見計らってゴミとして片付けられる。 まさにゆっくりたちの処刑場だ。 集められた餡子は黒色火薬などの様々な薬品と配合される。 混合された餡子は一般に和剤と呼ばれ、この作業場で製造されている製品、花火玉の部材となるのだ。 さらに混合餡子、和剤は花火玉の炸裂に用いる割薬用と爆発炎の色合いを調節する「星」用へ分けられ、 それぞれ水や糊とさらに混ぜ合わせた上で、鉄釜の中に用意されたモミ殻や砂粒へまぶされていく。 それらは少しずつまとまった形となっていき、次第に丸みを帯びる。 最終的には、火薬でできた親指サイズの玉がいくつも釜の中に鎮座することになった。 花火の核となる「星」だ。これが爆発することで夜空に花が咲く。 野生のゆっくりの多くは食べられなくはないが、無機物さえ食べる雑食のため、不純物が餡子に多く含まれており、あまり美味しくない。 一部の豊かな餌場を持つゆっくりや養殖されているものだけが食用になっている。 しかし、食用以外の用途においても、ゆっくりたちの餡子は大変便利な性質を持つ。 野生で暮らすうちにゆっくりの体内へ蓄積される様々な不純物は、集めれば化学薬品として使える濃度にまで達しているのだ。 餡子そのものも変質しているらしく、それらの薬品を安定させる基材として働いている。 幻想郷で火薬の原材料というと、厠で得られる焔硝くらいしかまとまった量が取れなかったものだが、 野生のゆっくりの餡子に含まれる薬品を使って「星」を作れば、バリエーションに富む爆発炎を持つ花火が作れるのだ。 薬品以外の不純物も、爆発炎の色に個性を与えてくれる。 そのため、安全に作業を行うという意味でも、基材である餡子ごと配合してしまうのが今の主流だ。 基材を何重にも用いて安定させているとはいえ火薬。 慎重に箱へ詰められ、作業場の庭で天日干しされる。 前述の、真球状に整えられた仮死状態のゆっくりたちも白目を剥いたまま並べられている。 正直、かなり不気味だ。 「星」は一度乾燥させれば完成というわけではない。 予定される爆発炎の大きさに合わせ、何度も和剤を塗りつけて大きさを増す必要がある。 塗りつける度に乾燥させる必要が有り、とても手間がかかるが、この手間を惜しめばあのきれいな花火は見られないのだ。 今回はあらかじめ作っておいた「星」で花火玉の製作を行うので、 真球状のゆっくりたちの乾燥を待てばいい。 このゆっくりたちは「星」を包み込む玉皮として集められたのだ。 野生のゆっくりの中でも、そこそこの強度の皮を持つ種類がこの工程に回される。 少し手を加えただけで理想的な玉皮として働いてくれるあたり、無駄が少ない物体だ。 乾燥し、皮がだいたい固まったゆっくりたちは、作業場の中へ再び戻される。 まな板の上へ無造作にあけられると、仮死状態だったゆっくりたちが意識を取り戻す。 意識を取り戻さないほうが幸せなのだが。 皮が固まっているため、ゆっくりたちはあまり口を動かせず、 それらの出す声はくぐもっていてよく理解できない。文句でも言っているのか。 青年たちが包丁を取り出すと、ゆっくりたちの玉が微動する。逃げようとしているのだろう。 だが皮が固まり動けない今、そんなことは出来るわけもない。 そして人間で言う耳のラインで、ゆっくりたちは縦へ一気に両断される。 ゆ゛ぎっ゛などと小さく悲鳴があがり、ゆっくりたちの一部はここで絶命してしまう。 野生のゆっくりは生命力が強く、餡子が完全に失われない限り、落命することはあまりないと一般に言われるが、 短時間で大量の餡子を失えばやはり死ぬ確率は高い。 仮死状態から覚めたばかりで、皮も固まり感覚が鈍っていても、この激痛は堪える。 残りの多くも口から軽く泡を吹いてだいたい気絶した。 半分に割られたゆっくりたちは、中の餡子を掻き出されていく。 そうするとゆっくりは意識を取り戻し、ゆ゛っゆ゛っと不安定な声が漏れる。 「星」が中に詰められる程度まで餡子を減らしても、大半のゆっくりたちは息があるようだ。 そして後頭部の方には、花火玉の起爆において、導火線の役割を果たす「親導」という棒が差し込まれる。 これが発射の際に外皮から引火し、中心部まで到達すれば爆発するのだ。 餡子を接着剤代わりにして、ゆっくりの中に「星」が隙間なく埋められていく。 中心部にはさらに割薬が詰め込まれる。これを和紙で固定すれば中身は大体完成だ。 こうして、二つに割られたゆっくりは再び貼り合わされ、外からも和紙が丁寧に貼られる。 顔の部分だけは和紙を貼らずに露出させたままにしておく。 生首のミイラのような物体が、無数に作成され、ゆっくり花火玉の製作はこれで一段落。 あとは出荷を待つのみだ。息のあるゆっくりたちは泣き言らしき声を延々と垂れ流している。 餡子が残ってさえいれば、何も食べなくてもゆっくりはしばらく生きていられるのだ。 今回製作された分は再び仮死状態にされ、翌週には納入されていった。 花火大会の夜。 人里の傍らを流れる大きな川の中州に、打ち上げ用の大筒がいくつも立てられていた。 周囲には打ち上げの職人達が大勢で待機し、世間話に花が咲く。 やがて箱詰めされた花火玉が到着すると、彼らは打ち上げ作業に取り掛かる。 箱の蓋を開けると、中にはゆっくり花火玉たちが、顔をこちらに向ける形で収まっていた。まだ生きている。 ゆっくりたちは仮死状態から覚め、こちらに気づくと、ゆっくりしていってね、と言葉を放つ。 今日の花火玉は元気がいいな、と打ち上げ職人達も感心した様子だ。 「今年のゆっくり花火玉はイキがいいやつばかりですからね。皆さんにはとびきりの悲鳴を聞かせられそうですよ」 花火職人である青年たちは、自信ありげに答えた。 花火玉のうちの一つを慎重に掴む。 自由にしてもらえると思ったのか、掴まれたゆっくりの顔の表情が明るいものになる。 だがそんなゆっくりを無視して彼らは大筒の中にそれを装填した。 大筒の奥からゆっくりの不思議がるような声が聞こえる。 職人達はきちんと玉が収まっているか確認し、さて、とつぶやいた後、大声を出した。 「発射いくぞーーーー!」 点火。 「ゆゆ!?」 ゆっくりたちも異変に気づく。 炒られた豆が弾けるような音が大筒の引火した導火線から聞こえてくる。 ゆっくり出してね!とゆっくりも逃げ出そうとするが、どうにもならない。 射出。 「ゆぴゅっ!?……あじゅいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……」 高速で打ち出されたゆっくり花火玉は、太い白色の尾を引いて上昇。一般に昇銀竜と呼ばれる花火玉だ。 「ゆっ!?すごい!おそらがちかいよ!」 打ち出されたゆっくりは、数瞬後の自分の運命も知らず、のんきに最後の思考を行う。 発射された際に親導へ引火した火が、ゆっくり花火玉の中心部に到達した。 ゆっくりの目や口を押しのけて爆圧が開放される。 「っぶぇ!」 炸裂。 ゆっくりは爆炎の中に消えた。 夜空に一輪の花が咲く。 無数の金の火塵が尾を引いて散華し、その過程で様々に変色していった。 菊先と言われる、定番の花火だ。 おお、と川岸の観客たちから歓声があがる。その中には花火玉の製作を行った青年達もいた。 花火の出来に満足げだ。 だがゆっくりたちはそれどころではない。 仲間が打ち上げられ爆発するところを間近で見て、恐慌状態に陥っている。 発射場の周辺に漂う、爆発煙の匂いもそれを煽った。 ゆっくり花火玉の入った箱が軽く振動しはじめる。 ゆっくりたちが泣き喚いたり、逃げ出そうと体をよじっているからだ。 さすがにこれは危ないので、耐火服を着込んだ者が箱を押さえつける。 箱の中のゆっくりたちは一様に絶望の表情で染まり、悲鳴を上げ続けた。 だが、これこそ花火師たちの狙いだ。 次の花火の発射準備が進む。 いやだあ、などと掴み上げられたゆっくりたちが叫ぶが、誰も相手にしない。 そうして、次の花火が淡々と打ち上げられる。 「…………ひぎゃぁぁぁぁぁぁあああああああああ!?!」「っぷゅ!」 空にゆっくり花火玉たちの悲鳴が響き渡る。直後、爆炎が空に花開く。 夏の夜においては、これも風流の一つだ。 通常の花火玉でも、打ち上げられると独特の風切り音が聞こえるが、 ゆっくりの悲鳴はその何倍も大きい。発射場からだいぶ離れた博麗神社でも聞こえるくらいだ。 恐怖の悲鳴と、華麗な爆炎の併せ技。耳と目で楽しむ、これがゆっくり花火玉の醍醐味だ。 「おがぁざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああん!」「あがっ!」 「もういやだぁああ!……ぱびゃぁぁぁぁぁぁああああああっ!」「ぱじゅっ!」 「……わきゃらなぃょぉぉぉぉぉぉおおお?!」「わぎゅっ!?」 「……ちぃんぽぽぽぽっぽぽぽほっ!」「ぽりゅっぷ!」 ゆっくりたちの悲鳴が爆炎に消えるたび、たまや、かぎやなどと明るい歓声が立ち上がる。 花火大会は滞りなく進み、ゆっくり花火玉の残りもほとんどなくなった。 そこへ、大会主催者、と書かれた札を胸につけた人物が現れる。 「あ!これはこれは 鬼意山ではないですか」 鬼意山、と呼ばれた彼は、打ち上げ職人達にに軽く会釈すると、 そろそろ時間なのでラストにふさわしいやつお願いしますよ、と不敵に笑う。 「ゆぶぶ……」 鬼意山のリクエストを受け、打ち上げ職人達がリヤカーに乗せて持ち出したのは、 ドスゆっくりを原材料にした、特大の花火玉だ。 現代日本の花火玉の規格で言うと、30号の花火玉のさらに数倍はある。 当のドスゆっくりは子供のゆっくりたちが目の前で次々と星になったため、すっかり生気を失っていた。 巨大なドスゆっくり花火玉を打ち上げるには、 それに用いる筒も巨大なものとなる。もはや戦争で使われる大砲にしか見えない。 ドスゆっくりは十数人がかりで荷揚げされ、縄や台車を使われて筒のの中に収まる。 ゆっくりしね、と周囲の人間に当り散らすが、返事は一切返ってこない。 もう彼らにとっては、ゆっくりの言うことは動物の鳴き声程度にしか思えないのだ。 カエルや蝉の鳴き声に耳をすますことはあっても、返事をすることなどない。 悲鳴などあげてやるものか。それがドスゆっくりの最後の意地だった。 だが、筒に収まると同時に、大筒の周囲から職人達が退避していく。 そして、数字を数える大声が響き始める。 今までの発射過程とは違う様子に、ドス花火玉も戸惑う。 やがて、大声が0を告げると、筒の下から爆炎と轟音が飛び出す。 「ゆがぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!?!!!!?」 他の花火玉とは比較にならない高速度で、大筒ごとドスゆっくりは飛翔。 決してあげるものかと誓った悲鳴も夜空にあっさり響き渡る。 爆発の恐怖と、ゆっくりの許容限度を超えた超高速に、ドスゆっくりの精神は崩壊寸前だ。 発射煙を引きながら上昇する大筒。 やがて、大筒に封入された燃料が尽き、夜空の頂点に届いたところで、 ドスゆっくりの中心部の爆薬に火が達した。 一秒を百分割しても足りない刹那の中で、 内部からの膨大な爆圧に、ドスゆっくりの真球状の体は醜く歪み、膨張する。 その両目や歯、舌がまず吹き飛び、ほぼ同時に餡子が玉皮を突き破り飛び出す。 「げぶっ!」 その醜く歪んだ姿も、一瞬でまばゆい光の中に消えた。 花火大会最後の大花火は、昼と見まごう程の輝きと轟音を放ち、消えていく。 あまりの大音響に、窓硝子にヒビが入る家屋も出た。 だがそのことに不満を持つ者はいない。 これが今の幻想郷で生きる普通の人間達にできる、最大最強の芸術作品なのだ。 花火大会が終わり、帰路に着く人々の顔は一様に明るい表情。 その様子を眺める鬼意山と職人達も実に満足そうだ。 ゆっくりたちの破片が散らばる発射場で、 次はもっと残虐にやりたいですね!と、彼らは早くも次回大会に意欲を見せていた。 超重量の物体を打ち上げるには、通常の爆薬では無理! そう考えた職人達は、妖怪たちと協力して新しい打ち上げ方法と専用爆薬を開発した。 これは現代世界の歴史においても、ロケット打ち上げ用に使われたことがあるものだ。 そして打ち上げの必要量を用意するのに、数千、数万のゆっくりが潰されたという。 これだけの手間暇をかけてこそ、花火というものは人の心を打つひとときを提供してくれる。 クソの役にも立たないゆっくりたちであっても、このように工業製品の原材料として活躍してくれるのだ。 人間がゆっくりを真の意味で使いこなすのも、そう遠くは無いだろう。 ゆっくり花火 おしまい あとがき ここまで読んでくれた方ありがとうございます。 物語風の文章を書くのは小学生以来なので、 「へー、俺こんな文章書くんだ……」と妙に客観的な視点からの作業になりました。 もっとゆっくりをじっくり痛めつけたかったのですが、 花火が一瞬で散るものである上、花火玉の製作過程へゆっくりをどうやって組み込むかに夢中で、 そこまでなかなか気が回らないという結果に。 もっとゆっくり同士のやりとりがあったほうが、虐待にも熱が入って印象的なものになるので、 もし次があればそこを重視した話を作ってみたいです。 このSSに感想を付ける
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虐待描写無し・俺設定 適当にちょこちょこと書いていたのですが、捨てるにはもったいなので纏めてみました。 完成度低い上に数値等は適当です。 設定を考える遊びの延長で作成された文章です。内容を他者に強要するものではありません。 俺設定満載、他の作者様の設定も参考にさせていただきました。 ゆっくり解体新書 0.はじめに 幻想郷に突如現れた謎の物体ゆっくりも、すでに幻想郷に広く浸透し受け入れられた様に思われる。 しかし、その数の多さに比例して多くの人のゆっくりに対する認識は、動く饅頭だとか畑を荒らす害獣程度のものであり、その詳しい生態等はあまり知られていない。 私がこの報告書を作成しようと思った切っ掛けは、ゆっくりがどの様なものかということを、広く幻想郷の住人に知らしめたいと思ったからである。 また、この報告書の公開を持って、多くの資料や意見を寄せていただいた、ゆっくり研究者のみなさん、八意永林氏および稗田阿求氏に対する謝意と代えさせていただきたい。 1.ゆっくりとは何か まず、ゆっくりとは何かを考えてみたい。 ゆっくりは饅頭やそれに類似する甘味類であるが、まるで生き物のように活動し、人語を解し、食事をし、排泄をする(一部排泄を行わないゆっくりも確認されている)。その生殖は植物のようであり、また哺乳類のようで有るかと思えば卵生のゆっくりを見ることもできる。 現在幻想郷で主流となっている学説では、ゆっくりは饅頭妖精や饅頭妖怪と言われているが、妖精にしてはその生態は生々しすぎ、妖怪にしては妖気のかけらも無く脆弱すぎる。 幻想郷における始めのゆっくりは、博麗神社のゆっくりれいむと言われているが、調査によると人里離れた森の深部に博麗神社のゆっくり発見以前のゆっくりの痕跡を認めることができるという。 ゆっくりの発見当初、ゆっくりは「ゆっくりしていってね!」の言葉しか発しなかったといわれているが、その住処を人里近くに移し人と接触するにつれて、いつのまにか人語を話すようになったとも言われているし、はじめから人語を話していたとも言われている。 ゆっくりが確認されてから数年後にはドス級の存在が確認されたが、あれほどの巨体にもかかわらず、それまで人妖含めて誰一人その存在を目にした者がいなかったというのも解せない話である。 ここまでゆっくりについて述べた事柄が殆んど想定となっているのは、ゆっくりを調べるにつれてその存在がますます曖昧模糊としたものとなり、確信を持って断定できる自信がなくなってしまったからである。ゆっくりについての真実を知っている者がいるとすれば、あの境界を操る大妖ぐらいしかいないのでは無いだろうか? しかし、近年その大妖を模したゆっくりが発見され、その説も怪しくなってしまっている。(自分の姿を模したゆっくりがいることを大妖が容認するとは思えない) ここまでくると、最早ゆっくりはゆっくりであるとしかいえなくなってしまうが、それでは真実を目指す研究の徒としてどうかと思うので、現時点で最大公約数的に判明している事を纏めたいと思う。 2.ゆっくりの構造 幻想郷の饅頭妖精(妖怪?)であるゆっくりは、種類の差はあるがおおむね甘味類でその体が構成されている。 ゆっくりの体は文字通り甘味類でできているが、ゆっくりが生きていれば、よほど劣悪な環境に無い限り痛むことが無い。 ゆっくりの体組織はゆっくりの死後、またはゆっくりより長時間離れると、ごく普通の甘味としての性質になってしまう。 一例を挙げると、ゆっくりの髪の毛は飴細工で出来ており、ゆっくりに生えているときは人間の髪の毛と同じような質感を維持しているが、切除後ゆっくりからはなして一晩ほど放置しておくと、普通の飴細工となってしまう。 れいむ種のリボンや、まりさ種の帽子などは赤ゆっくりのころから身に着けており、成長とともに大きくなっていく。 しかし、帽子やリボンなどの髪飾りを、ゆっくりから放しておくと、ゆっくりが成長しても大きくなることが無い。 なぜこのような現象が起こるかについては色々と議論されているが、一説としてはゆっくりはその餡子からゆっくりの形態形成場のようなものを展開しているという説がある。その為に、ゆっくりはゆっくりとしての形態を保っていられるが、その形態形成場の範囲からはずれると、現実の法則に従いただの甘味になってしまうと考えられている。 この形態形成場説は未だ何も確証の取れていない推論の類であるが、脆弱な体構造のゆっくりが椎の実などの木の実を砕く咬筋力を持つこと、飴細工の歯で地面を掘って巣を作れること、それだけの力がありながら人間やある程度の大きさの動物に対してはその力が十分に発揮できていないことを説明できる。 つまり、ゆっくりの餡子から発せられる形態形成場よりも弱いもの――木の実、草花、昆虫など――にたいしては本来の体組織以上の性能を発揮するが、それよりも魔力、霊力、気力などが大きなものに対しては体構造本来の強度しか発揮できなくなってしまうと考えられるからだ。 代表的なゆっくりである「れいむ」種を例に挙げると、その体組織は次のようになる。 2.1 ゆっくりれいむの体組織 皮膚: ゆっくりれいむの皮膚は体の表面を覆う表皮と、その下の筋肉と同様の働きをする真皮に分かれてる。 表皮は体を汚れや水などから守る働きをしているが、しょせんゆっくりであるのでそれほど強度は無い。 ゆっくりの真皮は餅またはそれに類似する物で出来ており、その柔軟性と弾力性により体を構成する餡子を包み込んでいる。ゆっくりは体内に体を支える骨や筋などを持たずに、真皮によりその形容を保っている。真皮は筋肉のような役割もしており、真皮の伸縮によりゆっくりは跳ねたりして行動する。 ゆっくりの皮膚の厚さは、概ねその体長の一割程度である。 髪の毛: ゆっくりれいむ髪の毛は飴細工で出来ている。 髪は切断すると一定の長さまで再生するが、それ以上伸びることは無い。 毛根部分を焼却処理すると生えてこなくなるが、むしりとった程度では傷が癒えしばらくすると再び髪が生えることがある。 ごく一部において、髪を触手のように使用するゆっくりの存在も確認されている。 歯 ゆっくりの歯は飴細工でできている。 ゆっくりは雑食性であり、草の茎や木の実なども食べるため、その歯は飴とはいえそれなりの硬度を持っている。 また、ゆっくりの歯は赤ゆっくりのころから永久歯であり、一度失った歯が再生することは無い。 成体のゆっくりの場合、栗や椎の実程度の木の実ならばその皮を噛み砕くことが可能であるため、人が噛みつかれた場合に怪我をする恐れがある。乳幼児の指などは下手をすると切断される恐れがあるために注意が必要である。 舌 ゆっくりの舌は、弾力性のある求肥のような物でできている。 ゆっくりはその顔だけの生首のような体形のために舌が器用に動き、ある程度手のような役割をはたしている。 眼球: ゆっくりの眼球は寒天または葛餅のようなもので出来ている。 眼球内部にはゲル状のシロップがつまっている。 髪飾り: れいむ種のリボンはでんぷん質の繊維で出来ている。髪飾りのレース部分は飴細工であることが多い。 餡: 餡子はゆっくりの脳髄であり内臓器官である。 ゆっくりは餡子が無くならなければ死ぬことは無いと言われているが、大量の餡子を失うと死に至る。 生存に必要な最低限の餡子量は、おおよそ全体の1/3程度といわれている。 また、餡子が失われなくても、極端な温度変化によりゆっくりは死亡することが確認されている。 一例を挙げると、高温の蒸篭で蒸し上げた場合(絶妙な温度管理によって生きたまま蒸し上げる手法も存在する)、焼き上げられて餡子が高温になった場合、極低温の環境にて餡子が凍結した場合などがある。 ゆっくりには中枢餡と呼ばれるものが存在し、バスケットボール大のゆっくりのだと、大体ピンポン玉程度の大きさの密度の濃い餡が存在する。 中枢餡はゆっくりにとって重要な器官であり、中枢餡が傷ついた場合、回復後にも何らかの障害が残る恐れがある。 赤ゆっくりの場合は体内の餡子の大部分が中枢餡で占められているために、外傷などによる餡子流出に非常に弱い。また、栄養を蓄える餡子の量が少ないために頻繁な食事が必要となっている。 中枢餡の大きさは赤ゆっくりから成長するにつれてその体長に対する比率が小さくなっていく。たとえば、直径二十五センチの成ゆっくりの中枢餡は直径四センチほどだが、三メートルのドス級の場合だと中枢餡の直径は三十センチ程になる。 ゆっくりの餡子を入れ替える実験を行った記録によると、餡の種類によって性格などに変化が現れるとなっている。 他のゆっくりの餡子を移植した場合、少量であれば母体となるゆっくりに吸収され問題ないが、量が多いと記憶の混濁等の影響が現れる。また、中枢餡ごと移植された場合は一体のゆっくりに複数の意識が存在することになる。 ゆっくりの餡密度は、赤ゆっくりのころが一番大きく、大きく育つにつれて小さくなっていく。 成体のゆっくりの餡がぱさぱさしているのはこのためである。 中枢餡の密度は成長度合いに限らず一定である。 餡密度 g/1000cm3 赤ゆっくり(植物型) 1200 赤ゆっくり(胎生型) 1100 幼ゆっくり 900 小ゆっくり 800 成体ゆっくり 700〜600 大ゆっくり 〜 ドス級 600〜 中枢餡 1200 一般的な成体サイズ(バスケットボール大)のゆっくりの場合、その重さはおおよそ四〇〇〇グラム程度となる。 3.ゆっくりの体格および身体能力 3.1 体格 直径(mm) 通称・備考 赤ゆっくり(植物型) 25〜40 プチトマトサイズ 赤ゆっくり(胎生型) 40〜65 ピンポン玉、テニスボール 幼ゆっくり 65〜100 野球ボール、ソフトボール 子ゆっくり 100〜180 ソフトボール、ハンドボール 成体ゆっくり 180〜250 バレーボール、バスケットボール 大ゆっくり 〜 ドス級 3000〜7000 (1) 赤ゆっくり 赤ゆっくりの大きさは、植物型出産、胎生型出産により異なる。 成体サイズのゆっくりが植物型出産をした場合は、だいたいプチトマト程度(25-30mm)の大きさの赤ゆっくりが六〜十数匹生まれる。 大型のゆっくりが植物型出産をした場合、体格に比例して茎も太くなるためにピンポン玉サイズまで育つ場合がある。 成体サイズのゆっくりが胎生型出産をした場合は、ピンポン玉からテニスボール程度の大きさの赤ゆっくりが三,四匹生まれる。 胎生型出産は、成体でもバスケットボール程度まで育った個体で無いと行われることが少ない。 (2) 幼ゆっくり 幼ゆっくりは誕生してからある程度育ったゆっくりである。 植物型出産の場合は二週間程度、胎生型出産の場合は一週間程度で幼ゆっくりに成長する。 幼ゆっくりになると、巣から外に出て巣の近くで外界のことを学び始める。 赤ちゃん言葉は残るが、ある程度発音もしっかりしてくる。 (3) 子ゆっくり 誕生から一,二ヶ月でソフトボール程度の子ゆっくりへと成長する。 言葉もはっきり発音できるようになり、親ゆっくりに着いて巣から離れた狩場まで狩をしに出かけるようになる。 子ゆっくりサイズまでの成長速度は非常に速いが、これから成体ゆっくりまでの成長は緩やかなものになる。 (4) 成体ゆっくり 誕生から六〜八ヶ月で成体サイズのゆっくりへと成長する。 成体サイズになると、すっきりーをしてにんしんっしても餡子を吸われて命を落とす危険性が少なくなる。 (5) 大ゆっくり 成体サイズまで育ったゆっくりが恵まれた環境下で数年生きると、一般の成体サイズを超えた大ゆっくりに成長することがある。 大ゆっくりはドス級と違い普通のゆっくりなので、ドス級のように急激な身体能力の上昇は無く、マスタースパークなどの特殊能力を使用することもできない。 (6) ドス級 ドス級のゆっくりの発生条件は未だに解明されていない。 ゆっくりの中にある一定の割合でドス級に進化する因子をもったゆっくりが誕生し、なんらかの切っ掛けによりそれが覚醒してドス級に進化すると言われている。 ドス級になると、一般のゆっくりよりも格段に生命力、身体能力が上昇する。 また、マスタースパーク、ゆっくりオーラなどの特殊能力を使用できるようになる。 3.2 身体能力 ゆっくりの身体能力は一般に思われているよりもかなり高い。ゆっくりの主な移動方法は、這うと跳ねるの二つである。 生れ落ちた赤ゆっくりは、初めのうちは這うことしかできないが、親の指導により植物型出産の場合で2、3日、胎生型出産の場合は大体その日のうちに跳ねるという動作が可能になる。 植物型出産のゆっくりが跳ねるのに時間がかかるのは、誕生まで頭頂部で茎にぶら下がっていたために、足となる体の下部がしっかりと発達していないためである。誕生後に這って動くことにより下面部が刺激され足として発達し、跳ねることが可能になる。 出産時に親が死亡した場合など、稀に跳ねることができない個体が見られるが、成長する段階で他のゆっくりの跳ねる様子などを参考にして自ら跳ねる事を覚えていく。しかし、親のいない赤ゆっくりが群れに属していない場合、無事に成長できる可能性は殆んど無い。 ゆっくりに身体能力は種族によって差があり、各種族ごとの成体の平均的な身体能力は下記のようになる。 最大跳躍力(垂直)cm (水平)cm 巡航移動速度※1 持久力(分)※2 れいむ 60 80 1.5Km/h 10 まりさ 70 100 1.8Km/h 15 ぱちゅりー 40 60 1.0Km/h 5 ありす※3 60 80 1.5Km/h 15 ちぇん 80 140 2.5Km/h 10 みょん 70 120 2.2Km/h 15 ※1 最大速度は約二倍となる ※2 巡航速度で平地を連続して移動できる時間 ※3 発情時のアリスは一時的に身体能力が上昇し、同程度の大きさの固体であればまりさを上回る。 基本的に、最も平均的な能力を持つのがれいむ種となり、まりさ種はその上位互換的な能力値である。 ぱちゅりー種は身体能力が最も低く、体力的にはまりさ種の半分程度しかない。 ちぇん種は成長した成体でも体格がバレーボール程度だが、身体能力が高くなっている。 みょん種は跳躍力や移動速度がちぇん種に劣るが、持久力が勝っている。 ゆっくりは持久力が総じて低く、ある程度連続して移動をした場合、五〜十分程度の休憩が必要となる。 それ以上の運動を強制的に継続させると、足部の弾力性が無くなり跳ねることができなくなったり、餡子を吐いてしまったりする。 大サイズのゆっくりの跳躍力は、餡子の重さと筋肉となる皮の厚さのバランスにより成体のゆっくりとそれほど変わらない。 しかし、ドス級となるとその身体能力は劇的に向上する。 これは、ドス級となることにより一段階上位の種として進化し、餡子力により発せられる形態形成場が強化されるためと思われる。 参考までに、四メートルサイズのドスまりさの身体能力を下記に示す。 最大跳躍力(垂直)cm (水平)cm 巡航移動速度 持久力(分) ドスまりさ 600 800 18Km/h 60 4. ゆっくりの生殖 ゆっくりの代表的な出産方法には、頭頂部付近から発生する茎にまるで実がなるように赤ゆっくりが実る植物型と、体内である程度の大きさまで成長させる胎生型がある。また、極まれに卵生型の出産を行う個体も確認されている。 ゆっくりの生殖行為(すっきりー)に関しても複数の方法が存在し、体を摺り寄せることにより精子餡のやり取りを行う「すりすり型」、ぺにぺにと呼ばれる男性器に相当するものを、まむまむと呼ばれる女性器に相当する器官に挿入し精子餡の受餡を行う「ぺいまむ型」がある。卵生の場合は前にあげた二つの方法のほかに、母体となるゆっくりが産卵した卵に対して父親役のゆっくりが精子餡をかけて受餡させる方法、「たまたま型」が確認されている。 4.1 ゆっくりの生殖器 ゆっくりは雌雄同体であり、「ぺにぺに」と「まむまむ」と呼ばれる生殖器官を持っている。 「ぺにぺに」と「まむまむ」は同一の器官であり、ゆっくりのあごに当たる部分に存在する。通常時は皮膚がぴったりと合わさって隠れているため判別することは困難である。。 「まむまむ」は膣にあたる器官で、交尾時にぺにぺにを受け入れて交尾を行う。交尾時に事前にすりすり等の性的刺激をうけ興奮すると、入り口が開き潤滑剤に相当する粘液を分泌する。体組織が何らかの甘味で構成されているゆっくりらしく、この粘液は成分的には葛湯のようなものである。 「ぺにぺに」は雄役のゆっくりの「まむまむ」が体外へ勃起することにより発生する器官である。交尾時に雄役のゆっくりは「まむまむ」に「ぺにぺに」を挿入し、雌役のゆっくりにたいして精子案を受餡させる。一般的な成体のゆっくりでぺにぺにの大きさは根元の直径20mm、長さ50mm程度の円すい形の物体である。 受餡が可能な器官としては「すりすり型」交尾のときに一時的に精子餡を透過しやすい構造に変化する頬部分や、通常には排泄器官として使用される「あにゃる」などがあるが、便宜上こちらは生殖器として分類しないことにする。 4.2 ゆっくりの交尾 (1) すりすり型 すりすり型の交尾は成体となりまだ間もない個体や未成熟な個体で多く見られる。 多くの場合は親愛の表現である頬を摺り寄せる行為(すりすり)がそのまま生殖行為に発展した場合に行われることが多い。 すりすりを行い性的興奮が高まると、ゆっくりは潤滑剤となる粘液を体から分泌する。さらに、その分泌物と頬への刺激が引き金となり頬の対組織の一部が精子餡を透過しやすい構造に変化する。 性的興奮が高まり、「すっきりー」の絶頂とともに雄役の頬部分から精子餡が分泌され、雌役の頬部分を通して受精が行われる。 このときにどちらが雄役でどちらが雌役になるかは、そのときのゆっくり同士の精神状態により決定すると考えられる。まれに、普段の生活の役割において、雄役、雌役の区別がはっきりとついていない場合や、両方のゆっくりが「にんしんっ」を望んだ場合に、両方同時に「にんしんっ」する例が報告されている。 (2) ぺにまむ型 ぺにまむ型の交尾は、雄役のぺにぺにを雌役のまむまむに挿入して射餡することにより精子餡を受餡(にんしんっ)させる方法である。ぺにまむ型の交尾は成熟した成体の交尾においてよく見られる。 一般的にぺにまむ型交尾は、愛し合った番の場合は向かい合ってお互いに性感を高めあい行われるが、ぺにぺにをあにゃるに挿入する形で行われることもある。後者の方法は無理やりすっきりーを行うレイプの場合に多く見られる方法である。 4.3 ゆっくりの出産 (1) 植物型 植物型のにんしんっは、母体が完全に成熟した成体で無い場合や、生息環境が厳しい場合などに行われる。 また、すりすり型の交尾をした場合は、ほぼ100%近く植物型のにんしんっとなる。 植物方妊娠は、妊娠期間が短いために妊娠中に外敵の脅威に襲われる可能性が少なく、母体となったゆっくりも出産後直ぐに餌集めなどが行うことができる。また、多くの赤ゆっくりを生むことで成体まで育つ確立を上げていると考えられる。 植物型の場合、受餡後暫くすると頭頂部から1,2本の茎が生え、その茎に赤ゆっくりが6〜十数匹果実のように実る。 赤ゆっくりは大体1〜3日で誕生し、その大きさはプチトマト程度である。 赤ゆっくりが生まれた後、頭頂部の茎は自然に根元から外れ、それが赤ゆっくりの最初の食事となる。 この茎を最初に口にすることにより、赤ゆっくりは免疫等を身につけると考えられている。 生まれたばかりの赤ゆっくりは、茎を噛み砕けない場合があり、その場合は親が噛み砕いてペースト状にして赤ゆっくりに与えることになる。 (2)胎生型 完全に成熟した成体ゆっくりは、胎生型のにんしんっを行うことができる。 胎生型のにんしんっはぺにまむ型の交尾によって妊娠が可能である。 胎生型の妊娠期間は、大体十四日ほどであり、母体となったゆっくりはその間は巣穴で安静にする必要がある。 そのために、周囲の豊富な餌場があり、片親でも妊娠中の餌集めが十分に可能な場合に胎生型妊娠が行われる。 胎生型妊娠の赤ゆっくりの数は三,四匹であり、その大きさはテニスボールほどになる。 赤ゆっくりは母体の体内にいる間に、母体を通じて免疫等を獲得する。 また、ある程度育った状態で生まれる為に、短い期間で巣の外に出る事が可能である。 (3) 卵生型(たまたま) たまたま型の出産は、片親または両親の生存が難しい場合、山岳地などで冬季の餌が確保できない場合などに稀に見ることができる。 たまたま型の出産方法は多くの卵を出産する魚類型と、少数の卵を出産する爬虫類型があるが、どちらも報告例が少なく正確な情報は判明していない。 (3-1) 魚類型 雄役、雌役のゆっくりが互いにすりすりを行い性感を高めていく、通常のすりすりが三分から五分程度であるのに対して、この行為は三十分から二時間もの長い間継続して行われる。このすりすりは、すっきりーするためのものではなく、雄役は大量の精子餡を、雌役は大量の卵を体内に生産するためのものである。 じゅうぶんにすりすりし、体内に精子餡と卵を蓄えたゆっくりは、すっきりーの掛け声とともにまず雌役のまむまむから大量の小豆の様な卵を産卵する。続いて、雄役のぺにぺにから産卵された卵に対して大量の精子餡が振り掛けられることにより受餡を行う。 交尾を終えたゆっくりは、その生命力を精子餡と卵の製造に使い果たして死亡する。 受餡した卵は、冬の間に死亡した卵を栄養として吸収し、その数を減らしながらだんだんと大きくなっていく。 最終的にピンポンだまより一回り大きい卵が、多いときは十数個程度生き残り、春の訪れとともに赤ゆっくりが誕生する。 赤ゆっくりの最初の食事は、残された親ゆっくりの死体となる。 (3-2) 爬虫類型 爬虫類型出産の交尾は、胎生型と同じくぺにまむ型の交尾によって受餡が行われる。 受餡から二、三日程で、ピンポン玉大の卵を五〜六個出産する。 爬虫類型の卵はゴムのような弾力性のがあり、海亀の卵に良く似ている。 卵は親ゆっくりが抱卵をする場合は三,四日程度、越冬する場合は外気温がある程度上がると孵化する。 5 ゆっくりの生態 ここでは、ゆっくりの生態に関して一般的な事例を紹介する。 各種別の典型的な特徴や、ゆっくりの生活に関して解説する。 5.1 各種ゆっくりの特徴 (1) まりさ種 まりさ種はゆっくりの中でもその個体数が多く、全体の3割程度をまりさ種が占めている。 ゆっくりの中では身体能力が高く、群れなどではリーダー的役割に収まっていることが多い。 まりさ種の一番の特徴は、被っている黒い三角帽子にある。 帽子の中に食料などを入れて持ち運んだり、赤ゆっくりや幼ゆっくりなどを中に入れて移動することが可能である。 また、帽子を水面に浮かべその上に乗ることにより、流れの緩い川などを渡ることが可能である。 一般的な性格 責任感が強く、男性的役割を果たすことが多い。 下種 語尾が「だぜ」となることが多い。 自己中心的な性格をしており、自分のゆっくりの為に他のゆっくりを犠牲にすることを厭わない。 それには、自分のつがいや子供もふくまれる。 (2) れいむ種 れいむ種はまりさ種と同程度に個体数が多い。 身体能力は一般的で、取り立てて特徴といったものはない。 一般的な性格 母性が強く、女性的役割を果たすことが多い。 下種 自分の子供などを理由に、つがいや他のゆっくりに不当な要求をすることがある。 自分と自分の子供のゆっくりの為に他のゆっくりを犠牲にすることを厭わない。 自分の子供が思い通りに育たない場合に、躾と称して虐待を加えることがある。 (3) ありす種 れいむ種、まりさ種に続いて個体数が多い。 ありす種に関しては異常発情状態のありすが取り沙汰される事がおおいが、本来は理知的で賢いゆっくりである。 ありす種の巣は、他のゆっくりの巣に比べるときれいに整頓されていることが多く、花を飾るなどの行動も見られる。 ありす種の特徴としては、都会派と称したありす種独特の感性と、天邪鬼的な言動がある。 一般的な性格 理知的で姉的役割を果たすことが多い。 下種 異常発情状態となると、目に付くゆっくりに対して見境なくすっきりーを強要するようになる。 対象となるゆっくりは特にまりさ種を好むようだが、症状が進むと自らの子供に対しても欲情をするようになる。 異常発情状態のありす種は身体能力が向上し、相手をすっきり殺すまですっきりーを強要することも多い。 (4) ぱちゅりー種 ぱちゅりー種は身体能力が脆弱で生命力も弱いため個体数が少ない。 ぱちゅりー種は知能が高いことが多く、群れのリーダーの補佐的役割を果たすことが多い。 また、薬草などの知識を持っている個体は医者的役割をする場合がある。 「むきゅ」と泣き声を上げる。 一般的な性格 ゆっくりの中では知能が高く、群れの管理などをしていることが多い。 一方で、群れに不利益をもたらすゆっくりを切り捨てるなどの非常な面も持っている。 本などの文字が書かれた印刷物に強い関心を示す。 下種 親や群れの指導者的ゆっくりからの知識の継承を受けなかったぱちゅりーは下種化することがある。 自分知能が高いことを鼻に掛けて他のゆっくりを見下すことがある。 しかし、知識が継承されていないぱちゅりーの場合はただの自意識過剰となり、間違った指示により群れなどを危険にさらすことがある。 (5) ちぇん種 ちぇん種は他のゆっくりと違い猫耳と二本の尻尾を持っている。 体格は他のゆっくりより一回り小さいが、そのかわり身体能力が高い。 ちぇん種はらん種に懐くように種族として刷り込みが行われているようである。 「わかるよー」「わからないよー」の言葉を発するが、実際に分かっているのかはあやしい。 一般的な性格 素直な性格で、他のゆっくりに対して従属的な立場にいることが多い。 下種 ちぇん種が率先して下種な行動をすることは少ないようである。 他種の下種なゆっくりに追従していることが多い。 (6) みょん種 みょん種は身体能力が高いが個体数が少ないため、群れの用心棒的存在であることが多い。 ゆっくりみょんは常に棒状の武器を携帯しており、それを器用に使いこなして狩や戦闘を行う。 みょん種に関しては、「ちーんぽ」などの男性器を呼称する言葉しか喋れないものと、語尾が「みょん」となるものが確認されている。 どちらのゆっくりみょんも不思議なことに、他のゆっくりとの会話が成立しているらしい。 一般的な性格 信義に厚く仲間思いの個体が多い。 下種 みょん種は力を信条とすることが多いので、辻斬りのようなことを常習するものが発生することがある。 5.3 ゆっくりと四季 (1) 春 ゆっくりにとって春は、生命の謳歌を楽しむ季節であり、また恋の季節でもある。 長い越冬を終えたゆっくりは、辛く厳しい冬を越えたことを喜び、春の恵みをその腹いっぱいに収める。 巣立ちをしたゆっくりはパートナーを探し、子どもが独り立ちした親ゆっくりは次の子どもをその身に宿す。 ゆっくりには発情期が無く通年発情可能であるが、越冬の間すっきりーできなかった反動で春ににんしんっするつがいが多い。 梅雨の季節になると、巣穴の雨対策の不備により巣が水没したり、雨が降り続き巣の中で餓死したりして少なくないゆっりが命を落とす。 (2) 夏 夏になると春に生まれた赤ゆっくりも大きくなり、家族で狩りをおこなう姿などを見ることができるようになる。 夏は草花の成長も早く、昆虫類も豊富なために、ゆっくりたちは十分にゆっくりとした生活を満喫する。 しかし、夕立の季節でもあるので、巣から離れたゆっくりが突然の豪雨により命を落とすことも多い。 (3) 秋 ゆっくりにとって秋は、秋の恵みを楽しむと共に、冬篭りの為の食料を備蓄する季節である。 草、花、昆虫、木の実、果物などの食料を巣の備蓄庫一杯になるまで集めて越冬の準備をする。 ゆっくりには食糧の備蓄に関する知恵があり、水気の多い痛みやすいものを日々の食料にして、日持ちの良い木の実や干した草などを越冬用に備蓄するようである。 初秋の台風により、巣が水没したりして少なくないゆっくりが死亡する。 (4) 冬 ゆっくりにとって冬は巣篭もりの季節である。 この頃になると、春に生まれた子ゆっくりはバレーボール程度まで成長しており、ほとんど成体サイズとなっている。 越冬を経験して無事に春を迎えることができれば、子ゆっくりは一人前として独り立ちするために巣を出て行くことになる。 (まれに、大きな巣がある場合は複数世帯が同居している場合もある) 越冬に関しては「5.4 ゆっくりの越冬」を参照願いたい。 5.4 ゆっくりの越冬 ゆっくりは冬になると巣に篭って越冬を行う。 巣篭もりの次期は、大雪から冬至の雪が降り始めるころに始まり、啓蟄の頃までとなる。 ゆっくりの越冬方法には巣篭もり型と冬眠型があり、冬眠型は比較的気温の低い地域に見ることができる。 どちらの越冬方法でも、食料の備蓄が足り無かったり、雪の重さに耐え切れずに巣が崩落したり、巣の作りに問題があり凍死したりと、越冬の成功率は一般的なゆっくりで平均六割程度となっている。 越冬の失敗には、下記の様な要因が挙げられる。 越冬の失敗例 - 食料の備蓄が足りない。 - 食料消費の配分を考えずに食料が足りなくなる。 - すっきりーしてしまい、子供が生まれて食料が足りなくなる。 - 長期間狭い巣の中で生活することによるストレスから、喧嘩などを行い自滅する。 - 雪の重さに耐えられず巣が崩落する。 - 巣の造りに問題があり、凍死する。 - れてぃ種に襲われる (1)巣篭もり型 巣篭もり型の越冬は冬の間に気温が氷点下を越えることが少ない地域で行われることが多い。 ゆっくりは冬の間、溜め込んだ食料を少しずつ消費しながら春を待つことになる。 巣篭もり型での越冬の失敗要因は、巣の中で生活を行うために、喧嘩、すっきりー、食料の不足などが上位として挙げられる。 メリットとしては、巣の入り口に穴があいた場合など、不測の事態に対処することが可能である事があげられる。 また、比較的幼いゆっくりでも親ゆっくりが面倒を見ることにより越冬可能である。 (2)冬眠型 冬眠型の越冬は気温が氷点下以下になることが多い地域で行われることが多い。 また、越冬に十分な食料が集まらなかった場合に、食料の消費量を減らすために冬眠を行う場合もある。 ゆっくりは秋の間に収集した食料を大量に摂取して栄養を備蓄し、巣の中に詰め込んだ藁や枯葉などに包まれて冬眠して春を待つことになる。 冬眠の途中で何度が目を覚まし、備蓄した食糧を食べて再び眠りにつく。 冬眠型の場合、子ゆっくりより小さいゆっくりでは栄養の備蓄を十分に行えないことと、餡子の容量が少ないため気温の低下に対する耐性が低くいため、越冬の確立率が低くなる。 また、何らかの事故により巣の入り口に穴が開いてしまい、そのまま全員が凍死する事もある。 各越冬方法の特徴 巣篭もり型 冬眠型 地域 比較的気温の高い地域 比較的気温の低い地域 食糧消費 大 小 ストレスによる自滅 大 小 不測の事態 対処可能 対処は難しい ゆっくりの大きさ 特になし 子ゆっくり未満では難しい 6 おわりに 以上でゆっくりに関する報告を終わらせていただく。 現在この文章を執筆している間にも、ゆっくりたちの新たな生態の発見例が私の元には届いている。 今回の報告書では説明しきれない内容も多数あるのだが、機会があれば次回の報告書に記載したいと思う。 きわめて曖昧で中途半端な内容になってしまった事をお詫びしたい。 それでは、みなさんがこの報告書を役立てていただけることを願っている。 おまけーね ■「文々。新聞」より抜粋。 記者「本日は、ゆっくり解体新書の著者の方にお話をお聞きしたいと思います」 よろしくおねがいします。 記者「執筆に当たって、苦労された点などはあるでしょうか?」 そうですね……ゆっくりというのは本当にでたらめな存在でして、その生態を調べて原稿に纏めると、次の日にはまた違った目撃例が発見されたりするんですよ。 記者「それは大変そうですね」 ええ、書いても書いても新しい事実が出てきて、ちっとも原稿が完成しないんですよね。 いったい何度原稿を破り捨てたか分かりませんね。 記者「そうなると、ストレスなどもかなり溜まったのではないでしょうか?」 一時期は胃に穴が開くかと思いましたが、執筆協力者から良いストレス解消法を教えていただいたのでなんとかなりました。 記者「なるほど、それはいったいどの様な解消法でしょうか?」 まぁ、ゆっくりで溜まったストレスはゆっくりで解消すると言えばよいでしょうか――ヒャハ 記者「……えーと、その協力者とはどなたですか?」 情報源の秘匿として、黙秘させていただきます。 記者「話は変わりますが、その腰に下げている物は何でしょうか?」 これですか? これは玄翁ですね。なかなかの一品ですよ。 記者「そうですか――とりあえず、何に使うかは聞かないでおきますね」 実に手に馴染みます。 記者「それでは、本日はありがとうございました」 おわり
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「う~う~♪」 俺が散歩にと道端を歩いているとそんな声が聞こえた。 「ゆっ、やめてね、まりさは食べないでね!」 見ると、ゆっくりれみりゃがゆっくりまりさを食べようとしているところだった。 周りを見るとゆっくりれいむの髪飾りやそれよりも小さい飾りや帽子が落ちていた。 なるほど、ゆっくり一家を食べつくしたか、れみりゃにしては大戦果だ。 「ゆっ、ゆっ! あ、お兄さん、ゆっくり助けてね!」 まりさがこちらに気がついた。なんだかうざい声でぴーちくと助けを求めてくる。 なんでれみりゃはさっさと食べないんだ。 「う~おながいっばい~♪」 なるほどな。 もう少しお腹に余裕ができるまでまりさをキープしてるのか、 それともまりさをいたぶっているのか、ゆっくりゃのくせに生意気だ。 そこである考えが思いつく、れみりゃがいたぶっているのを見ていたら俺もしたくなった。 「やぁ、れみりゃ、そんな食べ飽きたものは捨ててぷっでぃ~ん食べたくないかい?」 「う~♪ れみりゃぷっでぃ~んも食べる、もっでぎでー♪」 最初は甘言で連れて行こうとしたが早くも面倒くさくなった。 何故俺がゆっくりゃなどにない頭を割いてまで考えねばならないのか。 と、言うわけで優しくれみりゃに近づき、羽をもぐ。 「うっっがっぎゃゃー! ざ、ざくやー!!」 とたんにすさまじく泣きだし、暴れる、うるさいので殴る。 「うぎゃー!」 「お兄さんありがとう! ゆっくりれみりゃはゆっくりしんでねっ!」 その隙にまりさが逃げようとする、それも捕まえる。 「ゆっ、なにするのお兄さん、ゆっくりれみりゃと同じ場所ではゆっくりできないよ! ゆっくりはなしてねっ!」 そう言って媚びた笑いを向けてくる、こいつは俺を味方と思っているんだろう、うざいので殴る。 「どぉじでごんなごどずるのー! だべるなられいむからだべでー!」 食べないし。それにお前が身代わりにしようとした家族はもういないよ。 俺は泣き叫ぶれみりゃとまりさを両脇に抱えて家へと帰った。 家に帰ってきた俺はさっそくれみりゃをゆっくりれみりゃ用透明ケースに詰め、まりさは適当に籠に閉じ込めた。 (まずは腹を空かせてもらわないとな) れみりゃは今、満腹なはずなので少し時間を置くことにする。 次の日、再び様子を見に来た。 「ざくやー! れみりゃおながずいだー!」 れみりゃを見る、よし、再生してるな。 しかしなんという燃費の悪さ、昨日はあんなに満腹だったのに。 「ゆ、ここじゃゆっくりできないよ、ゆっくりだしてね!」 まりさは昨日のことは覚えてないようだ、とりあえず籠から出してやる。 一瞬れみりゃに怯えるが、動けなそうなところを見ると揚々とこちらに近づいてきた。 「ゆっくりおなかへったよ! ゆっくりごはんだしてね! 出さないのならはやく出て行ってね!」 ぴょんぴょんと俺の目の前で跳ねる、うざい。 「あぁ、まりさ、ご飯だけどな」 「ゆっくりはやくだしてね!」 「まりさには餓死してもらうから、ないんだ」 軽く言う、実際どうでもいい。 「ゆっ?」 意味がわかってないんだろうか、まりさは少し考え。 「どおじでぞんなごどいうのー!」 泣き出した、うざいので殴った。 まあ、まりさいじめは今回は置いておこう、今回の主役はれみりゃなのだから。 早速れみりゃをケースから取り出してまりさを渡してあげる。 「う~♪ う~♪ れみりゃの御飯だぞー♪」 お腹がすいていたのか、今度はすぐにまりさを食べようとするれみりゃ。 まりさは痛みとショックで固まってる。 もちろん、俺もれみりゃにご飯を食べさせる気はない。 まりさがれみりゃの口に入るその直前、れみりゃをぶん殴り、まりさを救出する。 「うあっー、ざくやー! どおじでー!」 そう、俺の考えとはれみりゃのゆっくりを食べるをやめさせることだった。 もちろん、いやがらせの意味で。 とりあえず、同じことを朝昼晩三回繰り返す。 次の日、部屋に入ると 「「おながずいたのー!」」 ゆっくり二重奏だ、これは耳障りな音楽だ。 しかしこいつらには昨日のことは忘れてしまったのか、取り合えずまりさを取り出す。 「おにいざん、ばやぐごばんもっでぎでー!」 「駄目だよ、もう二度とまりさはご飯を口に入れられないんだよ」 「どぼじでぞっ!?」 話の途中で面倒なのでまりさの口をホッチキスで止める、伝統的ゆっくり口封じである。 「うっーうっー」 はは、なんだかまりさ、れみりゃみたいだぞ。 さて、つぎはれみりゃだ、っと。 「うぎゃー!」 れみりゃの髪を引っ張ってケースから出す、こいつ重くて出すのも面倒になってきた。 でも、出しとかないとまりさ奪還失敗するかもしれないしなぁ。 もうちょい広いケース買えばよかったか。 「ほーら、れみりゃ、ご飯だぞー」 「う~♪ う~♪ れみりゃのごはん~♪」 こいつ昨日と同じセリフはいてやがる、もちろん、食べる前に殴る。 「なんで~なんでれみりゃにごばんだべざぜてぐれないのー!」 「それはね、れみりゃがゆっくりを食べるからだよ」 「れみりゃのごはんー!」 「ちがうよ、れみりゃのごはんはゆっくりじゃないんだよ」 「う~?」 じゃあ、何を食べるんだろう、俺も問答の答えは用意してなかった。 ぷりんか、いやいや、そういえば雑食じゃないか、なんでも食うのか。 ならばべつにゆっくりにこだわる必要ないのか、まりさいらなかったな… まりさを踏む。うーうー唸っている。 これはこれでいいか。折角だ、続けてみよう。 一週間後、今日も同じようにれみりゃを取り出す。 髪をつかみ続けたせいで10円禿ができてしまった。 まりさのほうはもう、ほとんど動かない、死の目の前だ。 「ざくやー、ざくやー」 「はいはい、ごはんですよー」 まりさを渡す、れみりゃは少し考える、空腹で目の前のゆっくりを食べたい、でも絶対阻止される。 でも食べたい、でも絶対殴られる、食べられない上に殴られる? れみりゃは気がついた、もうこれは食べられない。 「いや゙ぁぁぁぁ! もうゆっくりだべだぐないのぉぉ!」 そう言ってまりさを投げ捨てる。 ここにきてようやくわかってくれたか、うんうん。 ピクピクしてるまりさ、気分がいいので口を破って(癒着してた)あげる。 「ゆ……ゆ…」 「まりさ、よろこべ、ご飯をやるぞー」 「ゆ…?」 そう言って一週間前のれみりゃの羽をあげる。 「ゆ…ゆ…」 はじめはゆっくりと食べていたまりさだったが、徐々にスピードを上げて羽にがっつく。 「むしゃむしゃむしゃむしゃ!」 そしてフィニッシュにゆっくり味わうまりさ。 「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」 「それはよかった」 うん、どうやら体力も大体回復したみたいだな。 「おにいさんもっとごはぴぐ!?」 そしてまたホチキスで止める。 「最後の晩餐、楽しんでもらえてよかった」 そう言ってまりさをかごに押し込む、必要もないので、もう二度と出さないだろう。 「れみりゃにもご褒美上げないとなー、はい、ピーマン」 「う~ざぐやー!」 お気に召さないようだ、一週間も食べてないのにすごい根性だ。 「あ、そ、じゃあ、いらないね」 「う~だべる~」 「あげない」 目標は達成したし面倒になってきた。 れみりゃは割と好きだし、ひと思いに殺してあげよう。 「う~! ざくやー! このおじさんごろじでー!」 やっぱりれみりゃはなぶるように殴る蹴る。 「やっぱり死なないなぁ」 れみりゃは再生能力が高いのだ、面倒なので、ケースに詰めておくことにした。 「だ、だずげ…」 「れみりゃ、やっぱり君もそのまま餓死ね」 そのまま俺は部屋を出て行く。 「だずけでーざくやー! い゙や゙ぁぁぁ!!」 れみりゃは次の日に死んでいた。 まりさの方も三日と持たなかった、やはり体力が落ちていたか。 このSSに感想を付ける
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ゆっくり畑 リリーホワイトが嬉しそうに弾幕をばら撒きながら喜びの声を上げている季節。 昨日耕した畑に種を植えようと向かったのだが。 「「「「「「んほぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」 博麗の巫女やら普通の魔法使いやらの顔―ゆっくりがいた。 暖かくなってきたからだろうか、互いにすりすり仲良さそうにと頬を擦りあっている。 (そういえばゆっくりは頭から茎を生やすよな・・・) それを思い出し、ちょっとした実験をやってみたくなった。 「れいむきもちいいよ!!!」 「まりさ!そろそろれいむもすっきりするよ!!!」 「「すっきりー!!!」」 人目もはばからずすっきりしていた一組の番がすっきりする。 頭からにょきにょきと茎が生えてきて― ブチッ 「いやぁぁぁぁぁ!!!」 「まりさとれいむのあかちゃんがぁぁぁぁ!!!」 ある程度の所で根元―れいむの頭のてっぺんごと茎を取り払う。 「なんでごどずるのぉぉぉ」 「いだいぃぃぃぃぃ」 泣き喚く声を無視し、そのまま畑に茎を植える。 よし、そのまま放っておくと萎んでしまう筈の茎は元々の青々さを保ったままだ。 そのままだと五月蝿いのでこの2匹には肥料になってもらおう。 畑の内の一列に、計5本の茎を差し替えた。 普通ならゆっくりする事無く実が付く茎が、青々としたまま立っている。 何と言うか、それは非常にゆっくりしていると思った。 さて、次の列に取り掛かろう。 「おほぉぉぉぉぉ!!!あと少し!!!」 「すっきりぃー!すっきりーー!!もうひとつおまけにすっきりーーー!!!」 気分良くすっきりした番から蔓がにょきにょきと生えてきた。 それも2匹ともである。 「あかちゃんができてきたね!」 「とてもゆっくりしたこになるといいね!!」 「でもたべものをたべないとみんなゆっくりできなくなるからもどろうね!」 和やかに話をする2匹。 ひょいと2匹を持ち上げる。 「「ゆゆー、おそらをとんでるみたいー」」 暢気に喜んでいる2匹を、畑に空けた穴へ、隣り合わせにして入れる。 「ゆ、じめんさんがめのまえにみえるよ!」 赤ちゃんが出来ているためにジャンプして越えられそうも無い2匹。 この後は当然土をスキマに入れて固定する。 「!!??」 「!?!?」 口の上まで土を入れた為に何を言っているかさっぱり分からない。 何、気にする事はない。 これも5本―もとい5匹づつ行う。うち1匹は番を肥料にし、うち1組は頭まですっぽりと土を被せた。 さて、最後の1列だ。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・かわいいあかちゃんだよ・・・」 「ZZZZZ・・・・・・」 頭に茎を生やし満足した一部の番は疲れてかどうかは知らないが眠っていた。 ばれないように片方を肥料にし、母体を持ち上げる。 その後に底を取り払い、中身がこぼれないように畑に置く。 「ゆ゛!?」 「おっとごめんね、うとうとしてて倒れちゃいそうだったから倒れないようにしてあげたんだよ」 「なーんだ、おにいさんありがとう!!!」 「それじゃゆっくり眠っててね、起こしちゃってごめんね」 「うん、ゆっくり眠るよ・・・ゆぅ、ゆぅ・・・」 これまた畑の1列に5匹分置く。 それぞれ埋める高さを調節し、茎は大体どのゆっくりからも同じ高さにでているようにした。 これでゆっくり畑の完成である。 さて、どの茎が一番早く収穫できるだろうか? さっと水をやってその日は終了とした。 1日目 茎だけのものは変わりが殆ど無い。 草花のような成長速度である。 そのまま埋めた所は通常と同じように育っている。 違うのは声を掛けてくれる親がいない、ということだろうか。 まだぽつんと丸いものがくっついているというような感じである。 母体の目はまだ周囲を見る事が出来るのだろうが、 足を切り落とした方は― 「ゆゆ、うごけないよ・・・だれかたすけてね・・・」 「どうしたんだい?」 「ここからうごけないよ!おうちかえりたい!」 悲しそうな声を上げる母体。 しかし実験のため、動かす訳には行かない。 第一足を切ったのだから下手に動かせば死んでしまうだろう。 実の方は・・・これもまた丸いものが付いてきた感じだろうか。 「あかちゃんが落っこちちゃうのは駄目だよね?おかーさんになるんだからゆっくり頑張ってね」 「ゆゆ・・・がんばるよ」 唯一会話ができるこのゆっくりを元気付けると、それぞれにまた水を撒く。 大体、通常1週間位で赤ゆっくりは地面に落ち生まれると言う。 畑で育てていくとどうなるのだろうか? 4日目 そのまま埋めたゆっくりと足を落としたゆっくりの茎にはそれぞれの親が分かるようなゆっくりの実が付いていた。 埋めた親ゆっくりの目は空ろで、何処を見ているのか分からない目をしていた。 「ゆー、ゆー」 何も知らない埋めゆっくりの赤ちゃんはただその場でゆらゆらと揺れていた。 「ゆ、なんだかまえよりらくになってきたよ!」 足を切り落としたゆっくりは前より元気だった。 ちょっと足元を掘り返してみると・・・根っこが生えている。 「地面さんが栄養をあげているんだよ」 「ゆゆ!じめんさんはすごいね!!」 もう動けなくても足切りゆっくりは完全に植物状態でいられるだろう。 一方茎だけの方は少しずつ成長してはいるものの、実をつけるまでには至らない。 ・・・もしかして赤ゆっくりの部分ができないと駄目だったのか? もう暫く観察してみよう。 7日目 茎だけのものは通常の植物並みの成長速度を保っている。 埋めゆっくりは黒ずんではいない為生きているのだろうが、反応も殆ど無い。 掘り返してみたが根が生える気配もなく、生ける屍状態であった。 一匹だけ落ちる前に食してみる。 「ゆ゛っ」 甘さ控えめの饅頭が出来ていた。 「ゆっきゅりおちるにぇ!」 埋めゆっくりから遂に赤ゆっくりが誕生した。 「ゆっきゅりちていってにぇ!!!」 「ゆゆ、おきゃーしゃんは?」 「きっとレーミュのためにごはんをとりにいってりゅんだにぇ!」 「ゆっきゅりまつよ!!!」 どうやらその場に留まり続ける事を選んだようだ。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 足きりゆっくりはまた寝ていた。 折角なのでこちらも味を見る事にする。 「ゆぎゅっ」 こちらは栄養がたっぷり行き届いた所為だろうか、かなり甘くなっていた。 さて、赤ゆっくりがそろそろ生まれる頃だ。 「起きろー、そろそろ赤ちゃんが生まれるぞー」 「ゆ!あかちゃんどこ?」 目をぱちくりさせて赤ゆっくりを探す足切りゆっくり。 「ゆっくしちていってにぇ!!!」 埋めゆっくりよりも立派な茎から赤ゆっくりが落ちる。 2、3、4…次々と落ちる。 「おきゃーしゃん!おにゃかしゅいたよ!!!」 「おなかすいたの?じめんさんからえいようをもらってね!!!」 「どうやりゅの?」 「じめんさんがげんきにしてくれるんだよ!!!」 「じめんしゃん!ごはんちょうだいにぇ!!!」 こちらもその場にそのまま留まる事になった。 他の喋れない足切りゆっくりからも赤ゆっくりが落ちる。 いずれもその場に留まるようだ。 果たしてこの赤ゆっくり達はどうなるのだろうか。 30日目 埋めゆっくりから生まれた赤ゆっくり達はなす術なく8日目には全滅した。 足切りゆっくりから生まれた赤ゆっくりはその殆どが死んでしまったが、何匹かは地面に根を下ろす事が出来た。 今では親と同じように頭から小さい茎を生やしている。 「ゆっきゅりそだちぇるにぇ!」 「どぼじでずっぎりじでないあがぢゃんがらぐぎがでるのぉぉぉぉ」 一部茎の生えた赤ゆっくりを少し離れた所に植え替える。 きっとこの赤ゆっくりは長く育つだろう。 茎だけ植えたものはしっかりと根付いており、すくすくと成長していた。 しかし赤ゆっくりが生まれてくる気配は無い。 育ち方からして秋に何かが起こるだろうと考え、そのまま育て続けた。 200日目 秋に活発になる神様姉妹の喧嘩がよく起こるような秋。 足切りゆっくりとその子供達はゆっくりしていた。 子供も成体サイズとなり、足の下はびっしりと根を張っていた。 すっきりする事もなく頭には実を付け始めている。 「ゆっくりできるね!」 「じめんさんのおかげでゆっくりできてるね!」 さて、茎だけの方は・・・と。 子ゆっくりサイズの実を付けていた。 しかし喋ることもなく、表情を買えることも無い。 中を割ってみると、そこには大量の小さいゆっくりの粒が入っていた。 一粒口に入れるが、これが中々硬い。 もしかしたら種なのかもしれない。 ゆっくりの中身は餡子だった。 餡子の種といったら― その日、いくつかのゆっくり種を持ち帰り、小豆を作る要領で煮ていく。 「うん、コレは小豆だ」 こうしてゆっくり小豆が完成する事となった。 このゆっくり小豆の茎や実、種を普通のゆっくりに食べさせた所。 「ゆっくりをころしたゆっくりできないゆっくりはゆっくりしね!!!」 と他のゆっくりに嫌われたようだ。 どうやらこれはゆっくりの特性を受け継いでいるようである。 色々使えそうだなと、頭の中でそろばんを弾いていた。 270日目 ゆっくり小豆の茎は枯れ落ちていた。 足切りゆっくりは地面に喋らない赤ゆっくりを落とし黒ずんでいた。 この赤ゆっくりは春に芽を出すのだろうか。 もし春に芽を出すのであればそれは喋るのだろうか、それともゆっくり小豆になるのだろうか。 来年の春が楽しみだ。 これからはゆっくり小豆を外側に埋め、中で野菜を育てて行こうと考えていた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あとがき 植物型に増えるゆっくりなのだから植物のように育ててみました。 中が餡子なので植物の方に傾けば小豆になりそうです。 外敵とかが出てきたり目の前で野菜を育てたらどうなるのでしょうか。 今まで書いたもの 博麗神社にて。 炎のゆっくり ゆっくりを育てたら。 ありす育ての名まりさ 長生きドスの群 メガゆっくり このSSに感想を付ける